幻想文学としてこの上ない結構。『構いません』の結構ではなく『組み立て』としての結構である。 背景となる世界観が現実と非現実のギリギリを突いている。更には、規則を破ることに背徳的な感覚……その究極は煙草……も読者を隠微な悦楽に迷い込ませる。 絵解きのような面白さを魅せつける大作。