眼が残念な俺はオッドアイ

黒猫

第1話 〜監獄〜

学校とは、監獄である。

何故と聞かれれば、こう答えよう。

『個性を消し、同和生を強いる場所』だからである。


学校は、イジメがあった所でなんの対策をしようともしない。

そして、逃げようとすれば逃がしてくれない。

まさに監獄だ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


さて…、何故俺は拉致られた?

「おい、目的はなんだよ」

「優さまを学校に通わせるよう、主人から申しつけられておりますので」


「俺は、行きたくないね…」

なんで、俺だけが辛い思いをしなきゃ行けないんだ…、周りは助けてくれない。だから、俺は力を手に入れたんだ。


俺が産まれる数年前から、超能力や魔法が使える子供が産まれるようになった。

それが今では国民のほぼ全てが力を手にしている。


だが稀に、力の発症が遅いものがいる。

それが俺だった。

力がないものはやられる。結局人間社会も弱肉強食の世界だったのだ。

それをどうしても認められず逃げた。


そこで、一人の老師に会った。

彼もまた、発症が遅れやられる側だったと言い、俺に問いかけてきた。


『力が欲しいか?誰にも負けない正しい強さが』

俺は迷うことなく欲しいと答えた。


そこからは、毎日が大変だったが学校に行くより楽しかった。

4:30に起き炊事をして、5:00に修行を行う。そのサイクルを続け1年が経過した時、等々開花した。


凸様脳に無機質な声が語りかけてくる。

『貴方の左眼は、記憶。一度見たものを忘れない。右眼は、創造。構造と素材が分かっていれば生成することができる。両方の眼を使うと抹消。全てを消し去る事ができるがそのあと視力が少し低下する。』


「記憶、創造…、抹消。これが自分の能力でした。」

「おお…、恐ろしい。その力に頼るか優?」

「師匠、武術を全て教えてください。この力は極力しようしたくありません」

「そうか、記憶と創造は使っても良い。というか使え。抹消だけは絶対に止めろ。」

「はい」


そこから2年師匠の全てを教わった。

師匠はもうこの世には居ない。

今でも思い出すと涙が出てくる。


「嗚呼…師匠」

気がつけば呟いていた。

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