第18話 二人目の容疑者は「仇愛 憎子」さんでした。
◇
二人目の容疑者は「
敬意というものはいつ如何なる時も略せるものじゃありませんよね。
会話からも分かるように彼女も
狩場に集まった三人が三人とも作家である――それもまた偶然と言えば確かに出来過ぎなような気もしますけれど、「偶然などない」なんて誰かの矜持を勝手に借りパクすればそれはそう特別視することでは無かったんです。
だって三人は小説家である以前に、
さっきも言ったように、結局のところ僕は
その凄まじさというのは作家としての凄まじさではありません、いえもちろん作家「
しかしその「作家」という肩書きを取り去ったとしても、
それは別に性格がいいとか、容姿が整っているとか、そういう話じゃありません。
強いて言うなら確固たる自己を持っている、と言うところでしょうか。
それも少しニュアンスが違うような気もしますけれど。
それでもどんな人間でも敬服――否、屈服せざるを得ない強烈な
それに輪をかけて、
芸術とは時に、観測者の頭を消しゴムで塗りつぶし、心を握りつぶすこともある劇物なんですから。
意図せず他人を塗りつぶすような存在が、意図せずとは言え他人を塗りつぶす手段を得てしまった、と。
C.H.K.の縁で繋がった三人と
編集者の
彼らは小説家として偶々同じ小説家である
C.H.K.同士、偶々知り合っただけの人間が全員小説家であるというのは、なるほど不可思議な話かもしれません。
しかし、現実はC.H.K.だからこそ強制的に引き合わされた
その辺は拗らせてる自分自身に酔っている
「
まあ「
例え
あんな正気じゃないスタイルになれなかったと言った方がより正しいのかもしれませんけど。
ですから、複合商業小説家や自称ミステリー作家とも違う人間である
ペンネームは「
歴史浪漫という分野がイマイチわからない僕ですが、まあロマンチックと付いているくらいなんですから恋愛要素絶無ということもないでしょうし
代表作はさっきも名前が上がった〈鬼灯姫〉シリーズ、後は「桐一葉の調べ」とかですかね。
僕はそれ読んだことありませんけど。
〈鬼灯姫〉だって映画やってなきゃ存在知らなかったでしょうし。
そんな歴史小説家の
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