第17話 集会のお題目は
「集会のお題目は治療の為だとか意見交換だとかC.H.K.の人権云々だとか毎回違って、主催者も国だとか一企業だとかまちまよ。結局何の為に集められてるのかはよく分からないけれど――ただ一つ共通しているのはそれには絶対参加しなければならないってことだけかしら」
「強制参加なんじゃあ十中八九監視目的ですね、釘を刺すというか未然に防ぐみたいな意味合いもあるんでしょうが。それって参加拒否ったらどうなるんです?」
「そうね、さっき貴方がどか食いしてたもの全部吐き出しても構わないなら教えてあげてもいいけど」
「リバースってことはグロ系ですか。僕こう見えても結構場数踏んでるんでグロ耐性は――」
「貴方の経歴を踏まえた上でなお言ってるのよ?」
「…………」
「…………」
「え、えっと、えっと。それでつまり
「
「だから『無作為に集められたC.H.K.』が知り合いでもおかしくない、か……ふぅん、なるほろね」
「このモールと言えば、もう一人――いやもう二人かしら。とりあえずあの男にもその集まりで出会ったわよ」
「は? もう一人って…………え? まさか、
「違うわよ。私があの男って言ったら一人しか居ないでしょう?」
「いや、知りませんけど」
「私がC.H.K.の強制招集で出会った男と言うのは
「……は?」
「だから
「……
「ええ、大きい方と先に話したなら知ってるでしょう? アイツの名前は覚えてないけれど、アイツの話のレパートリーがそれくらいしか無いのは知ってるわ」
「いや、
「ええ、
「え、ちょっと待って。ちょっと待って。僕アドリブ弱いからそんな情報次々出さないで――こほん、えーと。ん? いや流石に出来過ぎじゃ無いですか、え、ここ同窓会の会場でしたっけ?」
「だから出来過ぎてなんか無いわよ、一見偶然のように見えても、全て必然だって言ってるの。それに結局二人は来なかったみたいだし――と私も思ってたわ」
「それはまた何故……とは言いませんね。そっちのがどう考えてもまともですし」
「ふふっ、私だってそう思うわよ。けれどこうも思うのよ――彼らは本当に来ていなかったのかしら? って」
「……ふうん?」
「だって考えてもみなさいよ、彼らにとって――否、私達にとって絶好の機会なのよ? 倫理観が無ければ……いや、倫理観があればある程、これは美味しい話だと思うんじゃないかしら」
「……さあ、どうでしょうね。それを絶好の機会だと思う
「いえ、美味しい話なのよ。逃すには惜しい話なのよ――だから二人は仲睦まじく来ているのよ、この狩場にね」
「
「ええ。そして私達を出し抜いて
「それ以外あり得ない、ね。何かを考えるのに絶対陥っては行けない思考ですけど、流石に無理があるんじゃないですか? 仮に二人――ってか他の第三者が参加者としてひっそりと来ているにしても結局誰も二階に上がれなかったことに違いはないんですから」
「…………そうよ、開かなかったシャッターがあるじゃない? 二人は私達と別行動していたんだから全てのシャッターが開くと同時に二階に上がり、シャッターを下ろした。そして私達が遠回りする間に――」
「ははっ、
「……ええ」
「それでどうやって気づかれないように二階に回り込むんです? 仮にそこのシャッターに細工して上がらないようにしておき、他のエスカレーターから先回りしたとしてもそんな僅かな時間じゃ
「……それじゃあ、どうやったら
「だから、どうやってもそうならないと言う話でしょう?
「違うのよ、居たのよ、きっと居たに決まってるじゃない、だって全部全部
「そうじゃないとおかしい、ね。はははははっいや本当に笑わせますよね、いやマジで。密室は密室なんですからどうしようもないでしょうに」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます