第12話 盗作も何も話を聞いている限りでは
盗作も何も話を聞いている限りでは、
しかし、
それを踏まえれば今の作家「
尽力の結果、接続語すらまともに使えなかった奴をメディア化が内定する作品を作り出せるようになるまでに育て上げたんですからその手腕と努力は壮絶の一言に尽きます。
そしてもう一人、「
と言うのも。
先述の通り、何故か
なんでも、
師事と言っても、漫画家で言うところのアシスタントのようなものだったというだけで――小説家の何をアシストしてたのか知りませんが――小説を書く上での技術を学ぶともに、その他身の回りの世話だとかもやっていたそうですけどね。
ま、肝心の技術の方は
今時珍しくデジタル機器を一切使わずデビュー以来同じ万年筆で全ての作品を書き上げている、とか――
究極の写実主義者で小説内に書かれる出来事は全て
速筆で知られる
その有名さに恥じない伝説じみた逸話が幾つもありますが最も有名なもので言えば、名前になぞらえて「一人ではなく百十一人の作者が
由緒正しき古典文学から格調高いミステリーにタイトルだけで人を選ぶようなライトノベルやくだらないコメディなんかもあれば、甘酸っぱい純愛モノで女子高生の心を掴み、難解で心地いいSFで読者を魅了したかと思えば、勝手に他の人の作品の二次創作を同人作品として販売して物議を醸し出す――と。
こんな風に言うだけなら簡単ですが、本当にそんなことをやってのけるならば引き出しが多いどころの話じゃないでしょうし、作品ごとに文体から言葉遣い、どの作者にもある程度ある癖と呼べるようなものまで完璧に塗り変わってしまう――そんなの
そんな、時には濫作家とも揶揄されるような
それは彼の「作家は消費者の奴隷である」なんて病的な思想が彼をそうさせているそうです。
小説を出せるのは読者のおかげ、自分が生活できるのは読者のおかげ、自分があるのは読者のおかげ――と信仰とも狂気とも言えるような強迫観念が彼をそうしていたらしいです。
そして、
表向きは
勿論、それが全くないというわけではなく――むしろその対立が生じた理由こそが二人の思想の違いなんでしょうが。
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