忘却屋の日課

@HIKARIUMIYOUSEI

第1話 とある女性の依頼 前編

『K県K市A区のとある町に「忘却屋」とい

うある。』

ととある掲示板に新しい都市伝説が流れ始めた。

『何でも、自分が忘れたい、忘れ去られたい記憶や記録を人の記憶まで徹底的に消去出来るらしい。どうやらその店主は、そこから手数料として儲けているらしい。』

その噂は瞬く間に拡散され、多くの人がその噂を知り、

『その店主凄すぎwww』

『そんな人いたら犯罪犯しても大丈夫だなww』

『まぁどうせ噂だろうけど』

多くの人がその噂を信じないなか、とある人は

(こんな人がいるのなら...)

と思い、続きを読んでみると、

『その人に会うためにはA区の〇〇〇〇公園に日曜日の十一時半丁度に行かないと駄目らしい。0.1秒でも遅れたらアウト。また興味本位で会おうとしても無駄』

それを見た瞬間、その人はその公園について調べ始めた。





日曜日の十一時半、まだ子供たちが遊んでるなか、一人の男性が現れた。身長は175㎝、パーカーとジーパンを着ていて、髪はしっかりセットしており、気だるげな顔をしている。名は三井玲央。17歳の高校生である。「さて、今日は一体誰だろうな、と」

そう呟き、辺りを見渡してると、一人の女性を見つけた。年は大人びてるが彼と同じ位に感じる。顔も十分整っているがそれよりも山奥のその奥にある綺麗な上流を感じるほどきらめく長い黒髪に目を奪われる。そう思い、見蕩れていると、その女性と目が合い、こちらへ向かってきて、

「貴方が、あの『忘却屋』ですか?」

と、綺麗な声で語りかけてきた。

「まぁそうですが..」

そう答えると

「そうですか..」

とホッとした感じに呟き、

「貴方に、消して貰いたい記憶があるんです」

そう言ったのだった。





「それでは、消したい記憶というのは..」

「はい、この人との付き合っていた、いや私についての記憶をすべて消して貰いたいのです」

そう言って、ある男性の写真を見せた。話によると、元々付き合っていた男性はとても嫉妬心が強く、依頼人を束縛しようとするのも何度かあった結果、破局してしまった。しかし、男性は納得していないのかその日以来ストーカーとなってしまい、辛い思いをしてたらしい。相談所や警察を頼ったのだがすべて無駄になってしまい、ショックで落ち込んでいるところ、この情報を見てその男性から離れるためにこの情報を消すのが今回の依頼内容である。

「わかりました。それでは、一旦この写真を借りてもよろしいでしょうか?」

「はい、大丈夫です」

「ありがとうございます。それでは、今週の土曜日同じ時間にまた来てもよろしいでしょうか?その間はまだ記憶や記録は消えておりませんけども」

「問題ありません。その人との記憶がなくなるのなら、耐えれます」

「それでは、料金はその日にお願いします」

「わかりました。よろしくお願いします」

「それでは、またお会いしましょう」

そう言って、彼は立ちあがり帰路へ歩き出すのだった。そんな彼を女性は見続けたのだった。

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