紙とペンと電子データ

陽月

紙とペンと電子データ

 さて皆様、最近は電子化が叫ばれておりますが、いかがでしょうか。

 手紙はメールに、お金は現金からクレジットカードなどデータのやりとりに、書籍は電子書籍に。

 便利ですよね。


 手紙だと、日本国内でも場所によっては、数日かかってしまいます。日曜を挟んだら、集荷の後に出したら、それだけで一日余計にかかってしまったり。

 メールだったら、例え地球の反対側でもすぐに届きます。休日も、いつ送信するかも関係ありません。


 でもね、紙の手紙もいい所あるんですよ。

 ペンで手紙を書いて、ポストカードにメッセージを書いて、切手を貼ってポストに。手書きだと、書く人の個性が出ます。まあ、人によっては「読めないんだよ」なんて字になったりもするわけですが。


 ここで、個人的郵送のいいポイントを。

 ポストに入れるのはやめて、郵便局へ持っていき、「風景印でお願いします」と言ってみましょう。

 小さい郵便局だとないこともありますが、その郵便局独自の地域色あるデザインの風景印を消印として押してもらえます。

 旅先から、自分宛に出すのもいいですよ。


 郵便で海外に手紙を出すことだってできます。

 タイミングや送り先によっては、「フィンランドまで三日で届いてビックリ」や「半年経って諦めていた物が届いたり」なんて事が経験できるのも、実物を送るからこそです。

 葉書だったら国内に62円のところ、世界のどこへでも航空便で70円。その差たったの8円です。船便だったら、驚きの60円。日本国内に送るより安いんですよ。

 手紙だと定形で、規定の重量以内なら、国によって90円から130円。基本的には、遠いほどお高いですが、中国の西の方でも90円なのが、ロシアの東の方(北海道のとなり)でも110円というのが、私は腑に落ちなかったりするのです。


 他にも、実際に物で残りますので、掃除の時に見つけて、読み返したり、なんて出来事にも遭遇できます。

 古いメールなんて、そんなに読み返しはしないでしょう?



 お金も、日本ではまだまだ現金が強いと言われたりしていますが、新しいサービスが出てきたりと、電子決済の流れです。

 お会計の時に小銭で手間取ったりする事もありません。

 通販でも遠い所のお店なのに、すぐに決済ができたりと便利です。

 まあ、大きな買い物をクレジットカードで支払おうとして、上限に引っかかって手間取ることもあります。

 色んな電子マネーに対応していても、操作する方が普段慣れていない物で支払おうとすると、そこで手間取って現金の方が早かった、なんてことも起きるのですが。


 なお、私はわりと現金派です。現金だと、ないことには払えないので、使いすぎないんですよね。

 あとは、数字だけになってしまうと、数字すら見えないと、どんどん軽くなってしまって。

 30万円を現金で持ち歩くのは、結構抵抗があります。ドキドキです。

 でも、30万円入った口座の通帳なら、抵抗はあるものの現金ほどではありません。

 これが、キャッシュカードや、上限30万円のクレジットカードなら、何にも抵抗なく持ち運べるんですからね。



 書籍もどんどん電子化しています。

 電子書籍なら、本棚を気にせず買えますし、本棚全部を持ち歩けるようなものですから。

 最近は、電子書籍にメモを書けるようになり、「紙だとその場にメモを取れるが、電子だと無理」というのが通じなくなりました。


 辞書ならもう、電子辞書が圧倒的に便利ですよね。

 重さが全然違いますし、目的の単語に辿り着くための時間も、比べものになりません。


 ただね、一般書籍となると、個人の好みに左右されますが、まだまだ紙の方がいいと言う人も多かったりします。

 電子書籍がいいと、普段から声を上げている人でさえ、一定の本に関しては「紙で持ちたい」と言っていたり。

 私は、コミックは電子で小説は紙、とその辺りに境があります。

 辞書は電子辞書、これはもう圧倒的な便利さ。いや、紙の辞書を特に探す単語なく、適当に開いた所から眺めたり、なんてことも好きではありますが、調べたいときにはスピードですね。


 コミックと小説は、単純に私の中の寿命の長さです。

 コミックは、さっと読んでそれでお終い。すごく寿命が短いんです。そんなに読み返しもしませんし。なので、コミックでもこれは手元に本として欲しい、というものなら紙の本を買いますよ。

 小説はわりと読み返しますし、引っ越す時にも一緒に引っ越すものが多いです。あと、パラパラと捲って気になった所から読むことがあったり、紙のしなり具合が好きだったり。


 電子書籍の難点は、一つは貸し借りや家族での共有ができないことですね。

 実家に帰ったときに本棚を見ててにとるとか、友人の家に遊びに行ったときに、気になる本を見つけて「これ貸して」というのが、ない。

 だから、そういう人の繋がりからの本との出会いがない。

 この前借りた本の作者の別の作品を買ってみようとか、同じレーベルの別の作品を見てみようとか、発展していかない。


 それに加え、電子書籍は買った店が廃業したら読めなくなるリスクがある。廃業しなくても、取り扱いをやめたら。

 引き継いでくれる所があると、まだいいんですけどね。

 ダウンロードしておいた所で、自社のリーダーでしか読めないようにされているから、OSの更新でリーダーが動かなくなれば、そこまで。


 でも、一方で、火事や洪水なんかで紙の本だと読めなくなってしまうという状況でも、電子書籍なら、IDとパスワードで新しい端末でも引き続き読める、という利点もある。



 紙に書かれた情報は、保管をきっちりされていれば、相当長持ちする。

 蔵から古い本が見つかったりね。

 なにせ、紙は千年以上の歴史が、実績がありますから。


 それに比べて、電子データはあっけない。

 フロッピーディスク(今の若い人は知らないか)が使えなくなったり、ハードディスクが壊れてデータが飛んだり、そういう経験ありませんか。

 きちんとバックアップを取ってと、メンテナンスをしなければすごく寿命が短い。


 それに、新しい技術で古い物が無くなっていく。

 今、フロッピーディスクのデータを読めますか? 3.5インチならまだどうにかなるかもしれませんが、8インチとか5.25インチは無理では。一応、フロッピーディスクよりも後のMOも、難しいですよね。

 規格が変わって読めなくなったりしますし。


 紙もすぐに消えるものありますよ。

 レシートの字が消えちゃったとか、真っ黒にしちゃったとか。

 消せるボールペンも、そりゃあ「消える」が売りなのだから、条件が揃えば消えてしまいます。

 水性のインキで書かれていれば、水に濡れたら読めなくなったり。

 それでも、作るときの条件さえ整えれば、すごく長く保ちますから。

 昔のことがわかるのも、残ってきた記録のおかげです。


 それに、紙は植物が原料なので、植えて育てればグルグル回せるんですよ。

 一般的な紙の原料の樹ですと、育つまでそこそこ年月がかかりますが、和紙の原料のこうぞは、毎年収穫できますし、稲藁や葦からも作ることができます。

 使い終わっても、再生紙への道もあり、燃やしてしまえばその時の熱を利用することもできます。元が植物なので、燃やしてでるのはほとんど水と二酸化炭素。


 一方、電子部品は使い終わった後にどうなります?

 様々な物質が複雑に合わさってますので、リサイクルするにも大変。

 燃えない成分が多く、有害物質も含まれている、きちんとした処理が必要です。



 とりあえず、長期保存が必要な情報は、まだまだ紙がいいだろうと思うのです。

 でもまあ、燃えたら終わりだな、などと思うこともあり、となるとで考えた先が、石版に掘るだったりします。

 まあ、石版も割れたり、風雨にさらされて読めなくなったりするんですけど。もう誰のお墓なのか読めない墓石とかありますしね。


 なんだかもう、とりとめなく、まとまりなく書いていますが、この辺で。

 なお、郵便料金は、執筆時点のものです。

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