後日談 その頃、娘は。

 ヘッドホンから聞こえる甘く優しく澄んだ愛の言葉に耳が、脳が、下腹部が、全身が歓喜に震える彼女。

 彼女は、初見で気付くのは非常に困難といってもいい幼いたくの存在にいち早く気付き、救いの手を差し伸べ、真っ当な道を歩ませ、今、主人公と、内科医になったたくのラブシーンを見ていた。

 彼女は父こうじが死んでから数日後に十八歳の誕生日を迎えて、あのゲームのモードを、全年齢モードからその年齢であれば無料で切り替え可能な十五禁モードへ、十五禁モードを有料の十八禁モードに切り替えた上でラブシーンを見ていた。

 心ゆくまでたくと主人公のラブシーンを堪能し、別のBLゲームを立ち上げて欲しかったコンテンツに課金しようとしたが、残金が足りていなかった。

 仕方がないのでコンビニで魔法かきんのカードを買いに行って、家に帰ろうとしたが、見慣れない建物やらなんやらが彼女の目に入る。

 家からあのコンビニまで徒歩五分程度の道で迷うはずがないと思いながら彼女は足を進め、住宅地に入った。

 そして馴染みがない言語で書かれた表札のような物を眺めていると意識が遠のいた。



 それから彼女は前から両肩を強く掴まれるのを受けて目が覚めた。

 すると彼女の肩を掴んだ少年と目が合い、少年は彼女の中に入れていたモノを抜く。

 そして彼女の脳裏に疑問が浮かびまくる。なぜ自分の服がはだけてる上にノーブラかつノーパンで、この少年はなぜ自分と性交したのか、そもそもここはどこで、少年は何者なのか。とりあえず彼女は少年の名を聞いてみた。

「ん? ああ、ボクは――」

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子育てゲームで「ホテルへ行く」を頻発して全キャラ好感度MAXで転生したが、キャラクターからの扱いがおかしい件。 霜月二十三 @vEAqs1123

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