第五話 唯一ホテルへ行かなかったフリーターに何もかも知られていた上に乱暴された件
息子達から童貞を捧げられて数夜経ち、二人が夕飯の買い物へ行っている間、特にすることも無いのでテレビをつけると、一人暮らしの年齢の違う男性二人が刃物で殺されたというニュースが流れた。
財布や携帯電話など身元の分かる物が持ち去られているともあった。
この辺りで起きた事件とあって物騒だなと思っていると速報が入った。双子の青年が刃物で刺されたらしい。
まさかうちの子達じゃないだろうなと心配したところ、家の鍵が開く音がした。テレビを消して、息子達を出迎えようと玄関へ向かったら、たくが入ってきた。
彼は新聞配達に居酒屋やファミレスの店員、清掃員に宅配便と多数のアルバイトを掛け持ちするフリーターで、わたしがとった彼の攻略法はプレゼントやチップを渡したり、彼の数少ない休日に出かけたりすること。ホテルには一度も行っていないし、彼に、いや息子達以外に合鍵を渡した覚えもない。
「……シャワー、借りていいですか」
ど、どうしよう……。
「風呂場へ案内する」
「なぜ家の鍵を持っているのか聞く」
確かに、たくが
……念じても出ないというなら風呂場に案内しよう。
たくがシャワーを浴びている間、息子達のスマホに電話してみた。
まず、まさきに電話をかけたらまさきの部屋から着信音が鳴る。まさき、スマホを持っていかなかったのか。なら、しょうたのスマホに電話をかける。
なぜか風呂場の方から、もっと言えば風呂場と脱衣所の前のドアそばに置いてある、たくの小ぶりな鞄から着信音がする。
こちらからの電話を切った後、意を決してたくのリュックを開けるとしょうたのスマホの他にも、かおるとなつひこのスマホが入っていた……。
「見ましたね?」
声のした方を向くとあちこち古傷生傷だらけの裸で勃起しているたくが、手に持っているナイフの刃を出したり戻したりを繰り返していた。
きらめく刃を見て急いで警察に連絡しようとしたら押し倒され、スマホを手放してしまい、両腕を紐で拘束された。
「そう、あなたの息子のまさきとしょうたも、同僚のなつひこさんも、後輩のかおるさんも、みんなを遠くへ連れて逝っていったのは、他の誰でもない、この俺です」
な、なんで……、の後に言葉を続けようとしたら口にたくの陰茎をぶちこまれた。
「分かってるでしょうけど、歯、立てないで下さいね? もし立てたら……ね?」
ナイフの刃が出る音の後、わたしの頬に冷たいナイフが触れる。その後、たくはわたしの耳をふさぎ、腰を動かす。
わたしの呻く声でどんどん大きくなっていくたくに口内を激しく犯される音が頭に響く。
わたしの喉奥目掛けてたくの精液が発射される。
たくの未だ大きい陰茎を抜かれ、その精液にひどくむせた後、何が、目的なんだ、と切れ切れに言うとこう返ってきた。
「あんたがこの上なく大っ嫌いだから、犯して殺して、俺も死ぬんです」
そう言い切った後、たくは慣れた手つきでわたしのシャツの中央と袖の途中までをナイフで裂き、わたしの上半身を露にさせる。
「へぇー、こうじさんって乳首に絆創膏貼ってるんですね。ここ数日、あいつらに触られ、摘ままれ、舐められて……、絆創膏越しでも大きくなってるのがはっきりわかる」
そう言いながら絆創膏のガーゼ辺りでなくテープやその周辺で指をゆっくり滑らせているだけなのに体の奥が疼く。
不意に片方の絆創膏がはがされ、露出した乳首をそっと触られる。
「片方の乳首を軽く触っただけなのに、ズボンにしみだすくらい感じるなんて……変態」
そう嘲った後、たくはその乳首を口に含み吸い込む。たくにも何かを注いでいる気がする。息子達に与えたような……痛っ!
「……俺以外のこと、考えないでくれます?」
いつの間にかもう片方の絆創膏をはがされてまたその乳首を吸われる。
しばらくして乳首を吸うのをやめ、涙目になっているであろうわたしの顔を愛しげに眺めたのも束の間、ズボンと下着を脱がされて、尿道口から滴る液を指にとり、足りない、と呟いたと思えば、たくはナイフでわたしの腕を浅く裂き、出てくる血を指にとり、わたしの内部に塗りつけ、とうとうたくの陰茎が入ってくる。
それからたくは腰をわたしに打ち付けながら何度も首筋やら肩やらあちこち噛んできたり、あちこち切りつけてきたり、わたしを裏切り者だ変態だと罵倒したり、ついには首を絞めながらわたしに思いの丈をぶちまけてきた。
そしてわたしとたくは二人とも昇天した。
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