人生の節目には「紙とペンと印鑑」が出てくる。そんな人生のランドマークを辿る、とある御婦人の追憶。でも節目を迎えるのに必要だったのは「紙とペンと印鑑」だけではなくて……。短いけれど、とても心温まるお話です。
奥様の「ありがとう」は、しっかりと旦那様に届いていると思います。そして旦那様も、きっと天国から奥様に「ありがとう」と言っていることでしょう。心あたたまるエピソードばかりでしたが、個人的には第一子の名付けのシーンが特に微笑ましくて好きです。
走馬灯のように映し出される記憶が美しい。これから経験する人も、できればそんな人生を歩んでほしい。そんな事を、思わせる作品でした。