第2話 死んでしまった男のお話
俺の人生は、はっきり言うと最悪だった。
俺に関わる全ての人間が、平気で人を裏切り、平気で何もかも捨てていく。
俺は、そんな世界が嫌いだった。だから、俺は誰とも関わらないため、家に引きこもった。
最初のうちは、誰とも関わらない喜びから、
「家に引きこもって正解だったな」
と思っていた。
しかし、それは最初だけであって、月日が過ぎていくにつれ、
「俺は、どこで人生を間違えたんだろう……。」
そう見つめ直すのは、ただ一瞬の気休めでしかなかった。
俺は、家でずっと一人で過ごしてきて、ようやく自分を変える決心をした。
黒のトレーナーに黒い長ズボンを見にまとい、1階に降りる階段にさしかかる前に、俺は、部屋にスマホと財布を忘れたことに気づいて、急いで自分の部屋に戻り、1階の階段を降りた。
リビングには、ソファーで寝ている母さんの姿があった。父さんは、海外に出張に行っていて、今は2人で生活している。
別に俺は、母さんや父さんが嫌いなわけでは無い、だが、最近口も聞いてないため、一体母さんが何を考えているか、それは俺には分からない、まぁ、何を考えていようと、俺の知ったことじゃない。
俺は、母さんを起こさないように、静かに靴を履き、素早く家を出た。
「眩しいなぁ……。」
久しぶりに家から出ると、日差しが直接目に当たり、とても眩しかった。近くのコンビニにいくのが、家から出るための理由として考えたものである。昔の記憶をたぐって、ようやくコンビニに着き、雑誌とジュースを買って、コンビニを後にした。
コンビニを出て、数分たった頃、俺は電車の踏切にさしかかった。そこには、制服を着た高校生の女の子がいた。俺はその女の子に見向きもせずに、さっさと踏切を渡った。
俺が踏切を渡った後、すぐに警報機がなり、遮断機が降りてきた。ふと、あの女の子が気になり、振り返ると、
なんと、女の子が踏切の上にたっているではないか。
「これはまずいぞ」
俺は考えるよりもはやく、行動に移していた。
俺は一心不乱に走った。
「間に合ってくれ!」
そう願いながら。
俺は遮断機をとびこえて、女の子を突き飛ばした。
そこからどうなったのかは、自分は覚えていない……。
人生を変えた世界のお話 @os9981
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