第11話
「正夢って、本当に起きる予知夢みたいなものでしょう?
彼女の話が本当ならば、
しかしここで青山とは違う疑問が浮かぶ。自分が事故に遭う夢を見たとしたら、少なくともその道を通る事はしなかったはずだ。正夢から避ける方法考えればいくらでも実行できたはずなのに、どうして彼女は事故に遭ってしまったのか。――ふと、あの少年の言葉が横切った。
『あの日、ここで事故に遭うのは彼女ではなく他の人物だった。』
『それは彼女にとって大切な人で、失いたくないと願っていたからこそ、彼女は自ら飛び出したんだよ。』
「あの日、一緒にいた人物……」
少年は言っていた。彼女は誰かの身代わりになったのだと。
小太郎はもう一度あの憎たらしい日を思い出す。事故に遭う直前、彼女と一緒にいたのは誰か。彼女と出会う前、誰が彼女と一緒にいたのか。――しかしその答えは呆気なくて、悲しくて。一緒にいたのは紛れもない自分だと理解して、後悔した。
「――ああ、なんて」
なんて、皮肉な答えだろう。
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