2番目が正解
切子
第1話
設問ごとの問題文を読み、もっともふさわしいと思われる選択肢の番号に○をつけなさい。なお、いったん記入した解答を訂正することはできない。また、解答によって後の設問は変化することがある。
問1
「たかしくん、おててつなごう」
園庭でさくらちゃんがピンク色の手のひらを差し出してにっこり笑い、そう言いました。ももぐみのほかのみんなは、気づいていません。先生も、ブランコのそばで泣いているあきらくんにつきっきりでこっちを見ていません。
1 手をつながない
2 手をつなぐ
○3 「だれがお前となんか!バーカ!」と言う
問2
「ちょっと酔っちゃったかも……」
水族館への遠足の帰りのバスで、隣の座席に座った柴園桜がそう呟いた。見ると青い顔をして、気分が悪そうにしている。クラスの他の男子たちは、すぐ後ろの席でふざけて帽子を投げあって先生に注意されている。
1 他の女子を呼ぶ
2 先生を呼ぶ
○3 放っておく
問3
「隆志、私とつきあってくれないかな」
同じクラスの柴園桜から放課後に学校の体育館裏に呼び出され、いきなりそう告げられた。桜とは幼馴染でクラスメイトから付き合っているのかと聞かれることが多い。実際に勘違いをしているやつもいる。桜は恥ずかしそうにうつむき、制服の上着の裾をぎゅっと握って返事を待っている。
1 「ごめん」と言う
2 「いいよ」と言う
○3 「ちょっと考えさせて」と言う
問4
「ねえ隆志、あんた気になってる子いないの?」
飲み会で隣の席に座った同じサークルの柴園桜が、そう尋ねてきた。桜の前にあるジントニックは、二次会に入ってたしかもう三杯目のはずだ。目にはうっすらアルコールのもやがかかり、頬はチークのせいでなく赤い。
1 「いないよ」と言う
2 「いるよ」と言う
○3 「隣のテーブルのミホ先輩とかいいよね」と言う
問5
「鈴木さんって、……彼女とかいるんですか?」
給湯室で、同じ課の同僚、田崎由佳が唐突に尋ねてきた。声の調子は明るく、さりげない。課長の出張土産の菓子を皿に取り分けながら、こっちを見ずに田崎は手を動かしている。シンクと逆の壁際に設置されている飲料の自販機が、ぶぅん、と唸りを一段高くする。
1 「いないよ」と言う
2 「いるよ」と言う
○3 「逆に田崎さんはどうなの?」と言う
問6
「ねえ、私たちずっと一緒にいるよね。就職して離れちゃったけど……」
コートの袖から出た指先を寒そうにこすり合わせて、柴園桜はそう言った。地元では有名な夜景スポットだけあって、高台からの街は昼間とぜんぜん違ってきれいに見える。さすがに真冬のことで、吹きつける風が切るように冷たい。
「寒いよね、車に戻ろう」
そう言って踵を返しかけた彼女の手を握って引き止めた。寒そうだっただけあってひどく冷たい手だ。
「どうしたの、隆志」
彼女の声はどこか不安そうだが、何かを期待しているようでもある。
1 「なんでもない」と言う
○2 ポケットの中身を渡す
3 「帰ろうか」と言う
ここまでの解答お疲れ様でした。用紙の裏面にも続きがあります。隣の席の人と協力して解くこと。
2番目が正解 切子 @kit-chon
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます