永遠に終わらない戦い

大陸一と謳われる剣士は、常に『一番と戦い続けて』いた。
その事が、彼の今際の際に語られる。

雰囲気はしっとりと。恐らく、戦争体験者や被災者の老人に話を聞きに行った時のような。
その場はゆっくりとした時間が流れている筈なのに、語られる話は怒涛で殺伐とし、飛ぶように時間が流れる。

彼が、何故自分を『二番目』と言うのか──

まるで、その場で一緒に話を聞いているかのような錯覚を覚える。
語り手同様に、最後にはきっと大陸一の剣士の話に没頭してしまう。

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