二番目と二番目

押見五六三

第1話

二番目に成った…


明日からは一番目じゃ無い…


やっと解放される…


こちらがいくら頑張ろうが、文句しか言わない次から次へと生まれてくる馬鹿共。

なぜ、自分がおりをしなくちゃならない?

うんざりだ。

しかし、もう自分は一番じゃ無い。

馬鹿共の怨みや妬みや鬱憤は、これからは全部一番目に行く。


今まで二番目を見てきて、ずっと思っていた。

何て楽なポジション何だろうと…

一番目に隠れながら好きな事は出来るし、地位や権力、名誉やお金もそこそこ手に入るじゃないか。

『陰の実力者』とか言われて、チヤホヤされるのも納得いかなかった。


「二番目には二番目の苦労が有るんですよ」って…馬鹿も休み休み言え!!

一番目の苦労がどれ程のものか分かっているのか?


ずっと他人の事を考えていた…

苦しむ人や笑えない人を見ては心を痛めていた。

自分が一番目に成り、皆を楽にしてやりたいと…

自分にはそれしか出来ないと、努力して一番目を守り続けてきた。

だが、もういい。

帰ってくるのは辛い仕打ちばかりだ。

もう、うんざりだ。


所詮、他人に対する情けなんて、自己満足にしか過ぎない。

もっと早くに気付くべきだった。


これからは自分は二番目なのだから、一番目に鬱憤をぶつけてやる。

一番目がどれ程苦しいか分からせてやる…


◇◇◇


月日が流れても自分は二番目だ…

いや、時より順位は変わる。

だが、二番目以下を必ず保持していた。

そして、ずっと一番目に成る人を補佐している。

一番目の苦労が分かってやれるのは、元一番目の自分しかいないから…



***



二番目に成った…


明日からは一番目じゃ無い。


やっと解放される…


こちらがいくら頑張ろうが、蔑むことしか出来ない次から次へと生まれてくる優越者達。

なぜ、自分が虐げられないといけないのか?

うんざりだ。

しかし、もう自分は一番じゃ無い。

皆の冷やかしや暴力や暴言は、これからは全部一番目に行く。


二番目を見てきて、ずっと思っていた。

何て楽なポジション何だろうと…

一番目に隠れながら好きな事は出来るし、地位や権力、名誉やお金もそこそこ手に入るじゃないか。

『ブービー賞』とか貰えて、チヤホヤされるのも納得いかなかった。


「二番目には二番目の苦痛が有るんですよ」って…優越感で語らないでほしい。

一番目の苦痛がどれ程のものか分かっているのだろうか?


ずっと他人の事を考えていた…

苦しむ人や笑えない人を見ては心を痛めていた。

自分が一番目に成り、皆を楽にしてやりたいと…

自分にはそれしか出来ないと、あえて一番目を守り続けてきた。

だが、もういい。

帰ってくるのは辛い仕打ちばかりだ。

もう、うんざりだ。


所詮、他人に対する情けなんて、自己満足にしか過ぎない。

もっと早くに気付くべきだった。


これから自分は二番目なのだから、一番目に暴言をぶつけてやる。

一番目がどれ程辛いか分からせてやる…


◇◇◇


月日が流れても自分は二番目だ…

いや、時より順位は変わる。

だが、二番目以上を必ず保持していた。

そして、ずっと一番目に成る人を補助している。

一番目の本当の辛さが分かるのは、元一番目の自分しかいないから…

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二番目と二番目 押見五六三 @563

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