第4話 β:後日談
「なあシヴァ?」
「詞弥。」
「ああ、そうだったな。」
ここは信濃詞弥の自宅だ。
就任式から七日が経ち、取り決め通り今はこっちの世界にいる。こっちに来る時は俺はアシアとキスした。それも三人で決めたことで、七日後は詞弥とキスをすることになっている。
「で、敦也君どうしたの?」
腰まであった髪が、セミロングになっているのを見ると、やっぱり違う世界にいるんだと実感する。
「就任式の日、俺、お手伝いのウェスタって人と話をしたんだけどさ。」
「ああ、あのコスプレ好きの?あっちの世界にもチャイナドレスってあるのね。」
そう、まさにそれだ。
「あの人に言われたんだよ、いつかはどちらか選ばなければならない・・・って。」
それがどういう意味で言われた言葉なのか定かではないが。
「ってそれ、私達のこと知ってるってことだよね?」
「多分・・・」
ただ男一人と女二人の状況に対して言ったセリフかもしれないし・・・でも答えられないとか言ってたから・・・
「愛花ちゃんには言ったの?」
「あいつが知ったら真っ先にウェスタさんを問い詰めて、あらゆる方法で聞き出そうとしそうだから・・・」
「確かに考えることが凄いもんね。引きこってる私に会うために世界を移動するくらいだし。」
その愛花だが、こっちに来た途端、俺らに気を使って帰って行った。
「でも・・・いつかは来るんだろうな。」
詞弥はぼやっとした表情で独り言のように呟いた。
「そうだな。」
でも、少なくともそれは今じゃない。
もし本当に選ばなくてはならない時が来たら・・・それはその時考えればいい。
「ちょっと膝借りるぞ。」
「えっ?」
だから今は・・・
「もう・・・」
この膝の上で眠りに就いた。
眠る騎士は眠り姫たちのキスで目を覚ます。 三宅 大和 @yamato-miyake
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