短編№46

@ais-akountine

短編№46

 無為と気怠さについて主張した男は死んだ。これは重要な真実である。博士がそのようなことを言ったとしたら、それはそうではないのだ。イデオロギー的なものを見つけ出すのは難しい。これは、N氏の言だが、N氏ではないなのかもしれない。怠けるのは罪だ! そいつはどうだか。知ったことじゃない。俺が知ってるのはそれだけだ。無知な人の言葉。でも、流れ込むバーボンの琥珀。無法者の砂漠、支配者なき街。西部の飲んだくれと、鬱屈した青年。酒とサラダ。いっそのこと追い出してくれればいいのだ。琥珀の7連発へ。サボテンを啜りたい。扉を開け閉めしたい。前進は残酷なのだ。後退が罪ならば、前進は善なのか? 馬鹿野郎、馬鹿野郎、グラスの傾きは四十五度でアウトローが蹴り飛ばす。ここは西部の町だとしたら、博士は何処へ入ったかというような野暮を、となりの男は好まないのだ。マスターが手をくるくるする。酒瓶をひったくった保安官がそいつを撃ちぬいて大笑い。なんたってここはウェストサイドなのだから。ヤクはどうだい? ここじゃあ全部が薬さ。ハロー、密林のジャングル。潜水艦。小さなコミューンと髭のおやじがこんにちは。たらい回しの注射器が、オリンピック式祭壇を犯す。ヒッピー文化は糞だぜ。ジャンクヤードで工場作業員のホワイトがガレキを蹴飛ばして言ったなら、N氏が身投げすることもなかったろうに。トリップは終わったかい? ロケット69はケツに火を点けたかい? 気持ちがいい、俺のアポロを月へ! 円弧上のロケットは大気圏を突破して馬鹿の周りをぐるぐるしている。博士はオペレーションルームで半裸になっているが、N氏の札束は湯水のごとく。博士は馬鹿だ。だから、彼の表皮から今! ロケットが打ちあがりました。こいつはすばらしい。博士の博士がミニマムなオペレーションルームから叫んだとき、N氏は飛び降りたのだ。彼はITナードだったからね。するとだね、もっとビッグな世界があんのか? 保安官の椅子代わりの白髭が大きなげっぷとともに言った。そいつはそうだ。保安官が放屁する。ほら、上を見てみろ、二千分の一秒後に二億人目のN氏がくたばるんだ。鏡二千枚分の奥地に手をかける男が見えるかい? アウトローの戯言。俺たちは博士の無間地獄には陥っていないのか臆病者が聞けるのだとしたら、誰だってこう答えるだろう。ここはウェストサイドだぜ、と。答えろよ馬鹿! 演出家にでもなってみろ、金でも貰ってみろ、お前は無間地獄の仲間入りだ。すでにトリップしている博士に五億匹目の妖精が女を騙って薄汚い口をきいたので、博士は豚の真似をして、自分がそれをされることを証明した。彼は自動人形としてプログラミングされることを望んだので、ヒッピーナード無限Nは死にながらフロッピーを幾何学にねじ込むのだ。挿入口がないぞ、十億人目のN氏がHiになって叫んだのも無理はない。四次元に手を突っ込めるのは耳の腐り落ちた猫だけだぜ。妖精が不明な地点より、白濁した高粘度の液体を分泌しながら言ったので、短気なえせ左翼は羽をもぎ取って、食ってしまった。妖精は暗号鍵¥¥¥だったにもかかわらず。したがって、キメてる博士と自殺願望持ち自殺詐欺師N氏は無限回廊の閾値に到達したため、直ちに邏卒によって捕縛され、回廊はさらなる無限によって消滅を運命づけられたのだと新たなジャンクヤードのブルーカラーは言い聞かせるのだ。ジャンクヤードのボスが葉巻を吸って出てきたのは新たな幕開けだ。あばずれ女を引き連れて、禿げ頭は2000時間労働を命ずるのだ。しかし、フィルムはおしまい。B級映画は素早い幕引きでなくちゃ。鬱屈した少年。フロンティアへ行く方法を教えておくれよ! 彼はFinの文字に向かってさらけ出すのだ。しかし、琥珀色の夕日が見えたなら、クソと砂嵐の無法地帯はもうすぐだ。エンドロールをアウトローは笑い飛ばす。マスターがB面をかけたとき、保安官が無差別に発砲し、テレビとマスターを道ずれに自分の股間を撃ちぬいて果てた。そうして白髭はショック死し、アウトローは言うのだ、ここはウェストサイドだからな!

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