第35話:1級建築士の合格率低下の原因と対策

 2007年4月に史郎は、佐藤と川田君を呼んで、最近の建築士関連の試験の

合格率が、落ちてる利用の説明を求めた。2年前から、試験資格が、変更に

なった事で、試験を受けられる人数が増えて来た事が1番の原因だと言った。

 つまり合格者を分子とすれば合格者数は増えています。しかし受験者を分母と

すると、その数が、かなり増えてきて、合格者数は増えても合格率は下がって

いるという事なんですと佐藤慶が言った。確かに合格者数は少し増えていた。


 次に、不合格の人が仕事の関係で何回も受験して、不合格になっている点も

あると言った。4回以上、不合格の者は、配置転換するとか、退社してもらう

とかペナルティーを与えた方が良いとも言った。確かに、理屈は通っている。

 史郎は、逆に、合格率、合格者数をもっと上げるにはどうしたら良いかと

聞いてみると、スタッフを増やして講義するだけでなく模擬試験を増やしたら

合格者を増やせるのではないかと言った。具体的に、何人欲しいのか、また、

研修のやり方をどう変えたら良いのか書面で今週中に提出する様にと佐藤係長

に言った。わかりましたと言われて話は終わった。


 翌週、提出された書類を見ると、研修で勉強を教えるのをやめて積極的に

模擬試験を増やして研修の1回を短くして、授業時間を1時間から45分に

して、1日あたりの授業の回数を増やし、少人数制にし、その人の弱点を

見つけ強化させる方が実力アップには良いと書いてあった。実地試験・製図の提出

は、会社の規定の時間外に課題の製図を書かせて、提出させて、評価と、

問題点を話し、克服させる方が、合格の早道だと言った。もし何回も不合格

問題の社員がいたら、その問題点を書いた書類を人事部に回して配置転換、

または、適性がないと言っても構わないと思いますと佐藤係長が言った。

 史郎が、わかった、その案で人事、総務部に当たってみると答えた。


 2007年6月に教育研修部に、斉藤進さん・40歳と内藤一雄さん・33歳

、真田めぐみ・28歳、木村恵子歳・26歳。倉田康子・25歳の5名が入った。

史郎は、斉藤進さんと、内藤一雄さんを呼んで、今後のマイクロソフト・オフィス

の教育担当として、やっていく場合、どのような授業が良いか尋ねた。すると、

前もって、授業の範囲を言い渡しておいて、その範囲で、講師が受講生に質問

して答えてもらう様にして、知識をつけさせる事。


 授業の最後に、次回までの課題として宿題を出して次回の授業で答えさせる

形式の方がが身につくと言った。時間は、30分、教えるソフトウェアは、

1研修で必ず1つで、ワードかエクセルかパワーポイント、アウトルック、

アクセスのどれかとする。一定の単元を終えた段階で、模擬試験をして、習熟度

を確認していくようにした方が、早いと思うと言った。


 エクセルは、実際に仕事に関連するデータを使い、計算式を入れたり、表を

作成したりデータ入力と同時にグラフを作成したりする実戦的な宿題を出して

、仕事でソフトウェアを応用する技術を身につけさせる方法が良いと語った。

 史郎が、カリキュラムは任せるから、できあがったら見せて欲しいと言った。

 早速、斉藤さんと、内藤さんに講師になって授業をしてもらい、史郎が

見学する事にした。


 今日中にカリキュラムの原案を作成してもらい、史郎が明日、をれを見て

問題なければ、その話を総務部に報告して、2日後から、ソフトウェア勉強会

を開始する事にした。その話を終えた後、佐藤慶係長の話した建築士関連の

カリキュラムの変更を総務部に説明しに行った。総務部長に了解してもらい

、翌日の建築士関連の勉強会から、変更したカリキュラムを実行する事と

なった。そうして2007年が終わり2008年を迎えた。

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