第31話:パソコンの教育担当へ2

 教育研修のスケジュール表を取りに行き、見ると、月曜から金曜日まで20

クラス・2百名以上、教習は、週に一度づつ、なので月4週として8百人、

本当に大丈夫かと思った。そこで山田係長に、ほんとに大丈夫かと聞くと

笑いながら、わかりませんと言った。ちょっと、無責任じゃないかと笑い

ながら答えると伊藤さんの思った通りやってレベルアップさせて下さいと

頭を下げた。史郎は、自分の部屋に帰って、受け取ってきたパソコンソフト

の入門書に目を通した。


 最初は、緊張したが、なるようにしかならないと開き直って何とかなるさ

と気分を切り替えた。ゆっくりの紅茶を飲んで、9時半の講習を思い描いた。

 授業開始、10分前、9時20分に教室に入ると、人事課の4人の女性が

待機していた。あいさつ後、テキストの本を1セット5冊を各机に、おいて

くださいと指示した。その後、数人ずつ、中高年の男性が入ってきた。

 その中に山下専務までいたので驚いた。10時になり、全員、規律、礼と

言って、史郎が、皆さん宜しくお願いしますというと、受講者たちが宜しく

お願いしますと言い、着席した。そして開口一番、パソコンは、難しいと

思わず、文房具とお考え下さい。簡単に言うと、鉛筆、ハサミや定規の

様なものです。


 ワードは、鉛筆でラブレターを書いたり、社内文書を書いたりするのに

使います。今日は、最初なのでワードで恋文の書き方を勉強しましょうと

言うと、笑い声がした。ソフトウェアというものは、人間が作った仕事を

効率的にこなすためのツール(道具)でしかないと、簡単に考えてください。


 そうすると、少しは肩の荷が軽くなりますからというと、また、笑い声が

した。パワーポイントは、スライドやOHPに文書、表、図、写真をはめ

込んで、プレゼンテーションに使うものです。エクセルは、数式をいれて、

数字を入れれば、計算したり、数字を入れたものを、表ににしたりできる

ソフトウェアで、表集計・計算ソフト言います。


 メールは、ラブレターを書いて、相手に送るためのソフトです。たまに、

彼女にふられて、失恋のメールが戻ってくる場合もあるので、読めなくては

困りますと言うと、また、うけて笑いをとった。好きでもない人からの多く

て困るのでメールの宛先・アドレスをまとめて管理して、デートの申し込み

をする順番に、曜日を変えて送るとかするのに、ヤフーメール、Gメールなど

のメール管理ソフトが必要なんですと話した。


 ソフトウェア習得というのは、できるまでに個人差が多いようですが、

完全に使えるようになるまで勉強してくださいね。そうしないと、すぐ忘れて

しまいます。ただ、一度、理解すれば、なんてことはありませんから大丈夫、

また、使い方忘れたら、知ってる人に、気軽に来てください。パソコンや

ソフトは、あくまでもツール(道具)で、本質的な仕事ではないですから、

これらは、あくまでも自分の仕事をスムーズにこなす為の道具だと言いう

事をよく覚えておいてください。たとえて言えば、車の運転みたいなものです。

 仕事を効率的に進める道具ですと言った。


 ちょっと前置きが長くなったが、本論のワードのテキストを開いてください。

その前に、もし、パソコンをやっていて、一太郎というソフトをお使いの人

がいたら、ワードの代わりに使えますので、ワープロとして一太郎を使っても

全く問題ありませんと言い、使っている人はいますかと聞くと2人が手を

挙げた。その後ワードのローマ字変換、部分確定、縦文字、横文字、大文字

、小文字、特殊文字の入力方法を押して、最後に、ファイルデータとして

パソコンのハードディスクにデータを書き込むことを忘れない事を十分

注意したい、一晩徹夜して書いた書類をうっかり書き込まずに終了すると

人間と同じで、すっかり忘れますからねというと、また受けた。

 こうして、始めての1時間の授業を終えた。最後にまた起立して、

全員で、ありがとうございましたと言い終了とした。

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