第29話:1級建築士の教育研修を再開予定

 2005年11月、人事部に行くと、また以前通り、伊藤設計教室を再開したら

どうかと言われた。そこで、山下専務に面会すると、海外営業で成功したので期待

していたが、ドクターストップじゃー仕方がない、また、伊藤設計教室を再開して

くれと言われ、了解した。我が社も社員数が増えて教育研修課の人数が足らなく

なっていたので、ちょうど良いと笑った。


 有給が2ケ月近く残っていると聞いたが、どうだ12月いっぱい、休んで英気

を養って来年・2006年から教育研修課の課長として再び勤務してくれと

言われた。伊藤史郎は、山下専務には、前の会社から引き抜いてくれ、その後も

、お気遣いいただき、本当にありがとうございますと言い、堅く手を握った。

 それでは、十分に休養を取って、また、来年会おうと言っていただき、史郎は

、お言葉に甘える事にした。帰って家族に話すと奥さんが家の事や買い物も

手伝ってねと言った。料理も教えるから、たまに作ってとまで言った。


 その頃も、趣味としてパソコンを買い換えていた。2005年11月の土曜日

、秋葉原へ行って、NECパソコン、VALUESTARの据え置きタイプの

パソコンで一式で25万円もするのだった。パンフレットを自宅に持ちかえり

近いうちに、これを買うからねと奥さんに告げると、信じられない! こんな

訳の分からないものに大金を払う神経がわからないと非難されたが、唯一の

趣味だからという事で勝手にしたらと言われた。その年に、伊藤家では、

この地区で最初の家庭用インターネット光通信「auひかり」をKDDIと

契約した。


 その後、史郎は、インターネットの幕あけを他の誰よりも手に入れた満足感

に浸っていた。20005年の年末を迎え2006年は、また伊藤設計教室で

内勤業務が始まる。今年も初出社の日に年始の挨拶に山下専務の部屋を訪ねた。

 挨拶を終えた後に、今年から、建築士試験の先生に復帰だねと言われた。

 その後、あ、そーだ、伊藤君は、昔から、パーソナルコンピューターをやって

いたよねといわれ、最近、光インターネットも家にひいて、楽しんでますと言う

と、山下専務が詳しいことはわからないんだが、総務や人事で、40歳以上の

社員でパソコンが苦手な者が多くて困っているらしいんだが教えられるかと

言われた。


 どの程度のレベルの要求されてるんでしょうねと言われ、専務もわからんと

言い、とにかく、人事部に詳しいのが数人いるはずだから話してくれと言われた。

 もしパソコンの先生ができるなら、建築士とパソコンの両方の先生をやって

くれと言われた。協力できるなら、協力させていただきますと言い、

人事部へ向かった。

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