第27話:LIMさんからの支援2

 すると、リムさんが、史郎、おまは何て手の早い奴だと笑いながら言い、それで

良いだろうと微笑んだ。私は、何も渡してないし話してない。これで面会は終わり

と言った。帰る時に、リムさんが、史郎に、立派な日本人形を期待しているぞと、

笑って、軽く肩をたたいた。


 すぐに、我が社の駐在所に戻り、写真を現像した所、何と、地下鉄工事の図面

だったのだ。路線が5つあり、予定する駅も印がついていた。これは、特ダネだ

と言い翌日の日本便に乗って霧島部長が日本に戻り、この情報を本社に戻って、

説明することになった。史郎は、クアラルンプール、バンコク、ホーチミン、

ハノイを回って、5月の中旬に、日本に戻った。5月下旬から休暇をとって、

箱根の高級ホテルと温泉に奥さんと、子供と友に、3泊した。


 6月入って、リムさんに渡す最高級日本人形を調べ出すと、まず、ひな人形は

、埼玉県岩槻市が有名で有り、岩槻の高級店を3日かけて、多くの店をまわった。

豪華ひな人形もあったが、ひな人形は、雛祭り専用であり、ひな祭りの風習の

ない国には、合わなと考え、断念した。


 6月15日、博多人形と言うことで、博多に飛んで、博多人形商工組合を

訪ねた。すると、焼き物で、日本美人や子供、風神雷神、可愛い女の子、

力士、祭りの踊りの像、赤ちゃんを背に抱く日本美人と、いろんな人形があり

、この中から、数点選び出した方が良いと考えた。組合の方に、中華系の

シンガポール人の娘さんの結婚式に贈る人形が欲しいと言い、一緒に探して

もらった。


 すると縁起物の大黒様、歌舞伎もの、童、ひな人形、武者、力士、博多美人

の7つが良いのではないかと言われ、仮押さえと言うことで、借りて会社で

検討させていただいて良いですかと聞くと、結構ですと言われたので、

7つ博多人形を包んでもらった。


 その他、麒麟、龍、鳳凰も特別注文した。価格は、どの位というので、

最高級品だと、幾らぐらいと質問すると、1つ当たり15万円程度なら、

有名な職人に、依頼できますと言った。そこで、特注品はイメージ画を

送るから作成して欲しいと依頼した。納期はと言うので2013年中に

取りに来ると伝えると十分間に合いますと答えてくれた。


 その後、2003年12月に博多へ行って特注品を確認して購入してきた。

そして2004年、人形持参で、シンガポールのリムさんに、博多人形

10体を持参して面会して、渡すと大喜びしてくれた。その後、

シンガポールで一番長い、路線工事の獲得に成功した。

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