第24話:海外営業部への配属2

 何か英語のライセンスを持っていますかと聞かれて英語検定1級を持っている

と言うとTOEICは受験した事がないのか聞かれたので、ないと答えた。

 それなら、すぐにTOEICを取りなさいと言われて了解した。1995年

6月23日のTOEICに間に合うから申し込んで下さいと言われ、すぐに申込書

を書いた。サリー先生が多分あなたなら、すぐ800点取れるでしょうと言い

目標は900点以上と言われてテキストと問題集1セット渡しておきますので

、自分で勉強してみて下さいと言われた。午後は、これを使って自習して

下さいと言われた。史郎は昔から目標が決まると徹底的に勉強するタイプ

なので自宅へ帰っても答えを暗記する位に何回も復習した。


 その後、海外営業部の今までのプロジェクトの交渉記録をもっと有利に

交渉する方法を教えてくれた。それをヒントに、次のプロジェクト交渉の

結果から、問題点と対策を考えよと言われ、考えたがわからなかった。

 それもそのはず、例えば、サウジアラビアなら相手の面子をつぶさない様に

こちらのペースに持ってくるとか、東南アジアの場合は、相手の話を否定せず

、こっちに有利な方向へ持ってくる方法などを考えろと言われた。一応、

10年前から4年前までの資料をもらい、残りの最近の4年間について、

今週に考えて、答えを出すように言われた。あっという間に1ケ月が過ぎて

、海外営業は、相手の国の状況を理解した上で、こちらに有利になるような

交渉術しかないと言うことがわかった。


 遂に6月23日、TOEICの試験日を迎えた。多少緊張したが、話す言葉

は完全に聞こえ理解できたので、かなりの高得点が期待された。数日後、

正式に915点という結果が出た。これを知った、サリー先生がエクセレント

と言い、もう私が教えることはないと言い、人事部、海外営業部に報告する

と言った。海外営業部の下島部長が、英語検定1級持っていて、TOEIC

915点といったら、この事業部でもトップクラスの成績だと驚いたように

言った。


 そして、来月、インドネシアでの交渉・1995年7月6~10日に

ついて行ってくれと言われた。わかりましたと言い、7月最終週だけは、

用事があるので夏休み取りますので、出張は勘弁して下さいと言うと了解した

と言われた。8月になり、海外営業部の仕事を学びたいので、入札に加わる

プロジェクト提出する資料作成や、後方支援の方法などを知っておきたい

ので、年内は、内勤業務で、海外営業部の全体の仕事の流れを勉強させて

欲しいと言うと、確かに、その方が、海外で営業していく上で、役に立つ

かも知れないと言われた。


1993年は、息子の誠一の大学受験の年。1993年3月に、早稲田の

理工学部情報通信学科に2月20日に受験に出かけた。東工大の工学部

情報通信学科2月25日、26日に受験に出かけた。2月28日に、早稲田

に合格して、3月9日の東工大の入試の発表を見に行き、合格を確認して

、電話してきた。最終的に東工大に入学することを決めたと連絡してきた。


 3月10日に、合格祝いのパーティーを開いた。ステーキを焼いて食べて

、デザートのショートケーキをいただいた。史郎が、誠一に、どんな会社

を目指したいと聞くと、NTTか、NTTドコモ、KDDIを目指したい

と、教えてくれた。


 1996年、10月、11月、12月と3つのプロジェクト案件の交渉資料

作成、実際に交渉するメンバーの会議に出席して、交渉のノウハウを身につけ

てきた。12月には、おぼろげながら、全体像が見えてきた気がした。

 1996年もシンガポールの交渉へついていった。1997年にインドネシア

での交渉に参加した。その後、1998年8月にオーストラリアへの交渉に

ついていった。1999年には、再度、シンガポールのリムさんの所へ、

地下鉄工事の件で交渉に出かけた。


 伊東史郎は、1998年の3月には375万ドルを1ドル147円で売却し

5.5億円を得て、残金が4.3億円となった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る