第22話:実の母の横浜訪問

 そんな1988年2月、松本の伊藤和子さんから2月15日から夫婦でお邪魔

して良いかと電話が入った。そこで、楽しみに待ってますと答え、2月15日の

午後2時に、史郎の家にやってきた。翌日は、史郎と早苗さんが、元町を案内

して、中華街で食事をしようととすると、突然、獅子舞があらわれ、伊藤和子

さんは、驚いたが、史郎がこれが、中国の旧正月・春節のお祭りですと教えた。

 その後、聘珍樓で昼食を食べた。いつもにぎやかで良いねと笑った。帰ると

、長女の徳子が、おばさん、私のピアノを聞いてと言い、弾いてあげると、

目を細めて喜んで、頭をなでてくれた。旦那さんの伊藤芳裕さんが、素敵な

家族ですねと言った。その後、夕飯の時になり、長男の誠一が降りてきて、

伊藤和子さんと芳裕さんに、ご挨拶をした。帰ってきてから、ずっと勉強

してたのと言い、すごいわねと言った。


 夕食は、お母さんが、近くの魚屋で新鮮な魚を刺身にしてもらい、皿に

盛って来た。すごいご馳走ねといいながら、刺身をいただいた今年は、

信州そばをいっぱいお土産に持参してくれた。翌日は、横浜から車で、

三崎まで行き、魚センターを見て回り、名物のマグロを刺身と焼き魚で

いただいた。その後、城ヶ島や、油壺の水族館を見て、鎌倉へ向かい、

大仏を見たり、銭洗い弁天に行ったり、鶴岡八幡宮をお参りして、横浜に

戻ってきた。


 2泊して、翌日の朝9時に、実の母の伊藤和子夫婦が松本に帰っていった。

 3月が過ぎ、4月に、史郎の長女、徳子が、近くの幼稚園に入園した。

 毎日、両親が送り、迎えをするようになり、幼稚園になじんでくれた。

 長男の誠一は、相変わらず、全国模試の成績を気にしていたが、毎回

30位以内になるのだが、まだ1位を取れてないのが不服そうだった。


 昨年の全国3位が最高の成績だった。彼の通ってる進学塾では、毎月、

全国模試が行われていた。史郎が、誠一の相談にのると、2年生になり

、不注意ミスが多いのが悔しいと嘆いているので、できるだけ早く、

問題を解く様に訓練して、見直しの時間を多く取れるようにすれば良い

のではとアドバイスした。その後も、毎日熱心に、問題集を解く毎日が

続いた。そして6月に500点満点で492点の成績で遂に念願の全国1位

になった。この日は、大きなケーキを買ってきて、彼の頑張りを褒めた。


 そして、高校は、父の入った、筑波大付属駒場高校か、藤沢の湘南高校

か、栄光学園、横浜の翠嵐高校のいずれかに入りたいと言った。今年も

8月の最終週に、松本の伊藤家へ行き、山岳ドライブを楽しんだり、

安曇野の堀金村のきれいな川で泳いだりして、楽しんだ。2泊3日で、

横浜に戻った。息子の誠一は、9、10月も毎晩、猛勉強の日々が続いた。

 そして、毎年恒例のクリスマスパーティを楽しんで、1992年が終わり

、1993年を迎えた。


 今年の初詣では、長男、誠一の高校受験高額祈願をした。2月、遂に、

受験の日を迎えて、最終的に受験校を翠嵐高校と栄光学園に絞った。

 東京へは、通学ラッシュを嫌い、近い進学校に決めたそうだ。2月2日

に栄光学園の受験が行われ、2月5日に合格通知が届いた。続いて、

2月14日に翠嵐高校を受験し、17日に合格の通知が届いた。

 その晩に、史郎と早苗さんと誠一が話し合った。史郎が学費の心配は

いらないから、どっちでも良いと言った。すると、栄光学園はボストン

カレッジ夏期研修があり、それに参加したいと言い、栄光学園にしたい

と言うので、両親とも了解した。海外研修も行けば良いと、史郎が言うと

、是非、参加するつもりだと笑った。


 自宅から約30分で栄光学園に着き、ラッシュの東京とは反対の方向

なので、東海道線の電車に座って通学できると喜んで学校に通ってくれた。

 入学して、5月に遠足に沖縄へ行き、父母会には、両親で出かけるよう

にした。8月は山のキャンプ、9月の体育祭、10月の長距離徒歩、

12月のスポーツ大会と行事が多い学校だった。そして、大学は東大を

ねらうと、最初から両親に断言していた。今年も早いもので1995年も

12月になり、あっという間にクリスマスイブ、毎年恒例のパーティーを

開いて盛り上がった。奥さんがスカイラインGTから、雪道、悪路に強い、

パジェロに乗り換えた事も大きな出来事だった。また、除夜の鐘を聞いて

1996年を迎えた。初詣で、長男、浩一の健やかな成長を願った。

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