第20話:スカGからパジェロへ

 1986年4月に息子の誠一が小学校1年生にになり登校し始め、大きなラン

ドセルを背負って、うれしそうに登校した。5月の連休、ゆっくりと車で伊豆の

修善寺、伊東、熱海の温泉に3泊4日のドライブ旅行に出かけた。スカイライン

も5人で狭くなったので、今年は大きな車に乗り換えないかと早苗さんが言った。

 史郎がスカGも古くなったしねといい早苗さんが決めて下さいとお願いした。


 その後、塾の帰り道、トヨタのランクル、ハイエース、三菱のパジェロなど、

見て回りパジェロのロング7人乗りのガソリンエンジンが良いなと言い、息子の

誠一を両親に、預けて、近くの三菱自動車を訪れて試乗させてもらうことにした。

 実際に見ると確かに人気があるだけにかっこ良く、室内は広く7人まで乗れる。

 ディーゼルターボとガソリン車を試乗させてもらい奥さんがやはりガソリン車

が良いという事になった。


 するとケンメリ・スカイランGTを売りに出すと言い出し家に戻り洗車して

最初に日産に行き下取り価格を聞き、次に三菱自動車で下取り価格を聞いた。

 ちなみに日産では、もしサファリを買ってくれるなら3百万円で下取りすると

言ってくれた。次に、三菱自動車へ行き、日産自動車ではケンメリ・スカGを

下取りしてサファリを買ってくれるなら350万円で下取りすると言われたと

伝え、日産自動車から三菱自動車に変えることも考慮して380万円で下取り

してくれないと交渉すると三菱自動車の担当者がいくらケンメリのスカGと

言っても、それは厳しいと困った顔をした。すると早苗さんが史郎を呼んで、

ひそひそ話をして、少し怒った顔して、もー良いトヨタのランドクルザーの方

が世界的には格上なんだからランクルにしようと席を立ってと言った。


 すると三菱自動車の営業所の所長と思しき恰幅良い品のよさそうな男性が呼び

止めて少し離れた席に史郎を呼び話はわかりました、仕方ないパジェロ最高級車

とケンメリ、スカGと交換という事にしましょうと言ってくれた。それを奥さん

に伝えると、にっこりして小さく、ガッツポーズ、やったと小さい声で言った。


 すぐさま三菱の、その男性の所へ聞き、その条件で行きましょうと言った。

 すると直ぐに書類を持って来たので間違えのない様に史郎が書いてハンコを

押し、早速、パジェロのエンジンをかけ、良い音だと言い、ちょと第三京浜で

試し運転したいと言い三ツ沢から玉川ICまで加速感やハンドリングを試し

ながら、かっ飛ばした。車体が重いから加速感はないが、安定感があって

オフロードには良さそうねと言いながら、早苗さんは、ご満悦だった。

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