第17話:レフの孫達との楽しい日々

 2005年の10月、ブルーナとセルジオとアマンダが一緒に、リスボンに帰ってきた。着いた直後に電話してきて、空港のレストランで食事をする事になった。レフとアリサが、車で空港へ行き、久しぶりに会うと、すっかり一人前の大人にっていた。


 食事をして、マリアの墓参りにきたと言い、車で、食事後に行く事にした。食事しながら、彼らの近況を聞くと、仕事では忙しそうでだった。しかし、プライベートでは、ブルーナもセルジオも彼女ができて、近いうちに結婚するかも知れないと教えてくれた。


 アマンダも同じ大学時代でアマゾンに入社した人と、つき合っているようだった。セルジオがレフに、1986年にPCTにプライベートバンクの口座を作って、その後、ファンドに投資していた話を聞いた様で、興味深いので、米国に帰る前に、是非教えて欲しいと言われた。


 そこで、ザックリとダイヤの原石を数十年前にシベリアの奥地で探した話から語り始めた。セルジオが、良くダマされずに、あの時代のソ連を出て、ブリュッセルの宝石会社までたどり着けましたねとか、告げた。


 その上、一流の宝石会社で、一流の金融機関を教えてもらい大成功でしたねと言い、まるで、冒険小説みたいな話ですねと笑った。その後、投資先をPCTのXファンドに投資したのも立派だとほめた。


 レフが、それは、PCTでの口座開設は宝石研磨会社から教えてもらったと言うとPCTは、最高の投資先でしたねと言った。レフさんも高齢で大変でしょうから、いつでもファミリーの金庫番を交代しますと打ち明けてくれた。


 すると、ブルーナとアマンダが、本当に信用できるのと大笑いすると、セルジオが、失礼な金融マンとしては許せがたい侮辱だとやり返した。でも米国に金融機関では良い投資先がないのでPCTのプライベートバンクの方がよっぽど良いと言い切った。


 レフが、わかったよ、体力に自信がなくなったら君たち3人で、これから先のファミリーの資産運用を投資を任せるかも知れないと言った。もし運用を交代すべき時が来たら3人に同じ書面を送るから決めてくれと話した。


 旅行の概要を聞くと特に決めてないと言い、後3日で帰らなければならないようだった。そこで、ファミリーの保養施設、ポルトにある、コスタズメラルダを紹介した。マリーナとホテルが一緒に楽しめる施設だから、ゆっくりしていったら良いと教えた。


 3人は、それはありがたいと言い、2泊したいので連絡して下さると助かりますといったので、すぐに電話して部屋をとった。長話の後、車で、リスボンの海の見える小高い丘にあるマリアのお墓を、みんなでお参りした。


 するとアマンダが海の方向を見て西の方向だからアメリカの方を見ているわと言い、私たちの事をずっと見守ってくれているんじゃないのと叫ぶと、みんなが黙りこくった。アリサは涙を流し、レフを始め男性達は、じっと耐えるかのようにしていたが目に涙が浮かんでいた。


 話した本人のアマンダは、葬式の時に来られなくて本当にごめんねと言い、回りを気にせず、お墓の前で泣き崩れたれを見ていたアリサが彼女の肩をしっかり抱いた。お墓参りを終えると、ブルーナが、レフにレンタカーの店で下ろしてくれますかと言うので了解と答えた。


 そして、レンタカーの店の前でブルーナ達を下ろして別れた。また、アメリカからポルトガルに帰って来る時に、出迎えるから知らせろよと、レフが言った。セルジオはわかりました、その時は電話しますと答えて別れた。


 3日目の昼12時の便で、アマンダ達が、アメリカに帰るというので、レンタカーの店で朝9時に待ち合わせて、孫の3人をのせて、リスボン空港へ向かった。空港に着いて飛行機の搭乗手続きを終え、戻ってきたので珈琲を飲みながら、アマンダが楽しい旅ができ、本当にお世話になりましたと言ってくれた。


 セルジオが、なかなか、素敵なマリーナで驚きましたと言い、もちろん精算は、自分たちですませておきましたと笑うと、ブルーナが、そんなの当たり前、じゃないか、とおどけて言った。アマンダが、レフさんもアリサさんも、お元気でねと言い、また来ますと別れていった。

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