第5話:食堂が繁盛し2店に増やす
1965年マリアは洋服造りはベロニカとアリサに任せて得意の料理でいろんな具の入ったピロシキ、牛肉、豚肉、鶏肉やタラ魚の煮込み料理。その他、ビーツ「赤カブ」と肉、ベーコンの入ったボルシチ、ロシア風の小ぶりな水餃子「ペリメ」、ビーフストロガノフを看板商品としたレストランを開業した。
ものめずらしさもあって狭い店なので行列ができるほど、混んだ。料理ができると皿や大きな器にいれて待ってるお客に提供した。店に入れない客は、外の簡単なテーブルと椅子で食べて帰る人もいた。それを見かねて、食堂が、忙しい時は、ベロニカも手伝うようになった。
2年が過ぎた1966年、休みの日には、ユーリー、フョードル、レフなど男達が、大きなテーブルと椅子を作り、小さな店の屋根を大きくしてレストランの席を急ごしらえで、大きくしてくれた。そう言う訳でレストランは面白いほど儲かっていった。
1966年マキシム妹のソフィアはと近くの小学校入った。マキシムは、レフの料理が好きで自分でもつくりたいようで、レフが少しずつ、手伝わせながら教えた。ソフィアはマリアの刺繍が好きで作ってもらったブラウスを大事に着ていた。
1967年には儲かった金でもっと立派なレストランを借りることができる様になり、男性3人、女子4人の従業員を雇う程、繁盛してきた。また、レストランで食べずに、食器や鍋を持ってきて、料理を持ち帰る人も増えてきた。
日曜日に休んでいるレフを見てレストランを手伝ってくれと言い、1967年、船会社の安月給の数倍は稼げるから、退職して手伝うと言いだした。マリアの大忙しで大変な姿を見ていたので翌週、船会社に辞表をだして店を手伝う事になった。
食材の買い出し、搬入、下ごしらえを手伝う様になると、マリアも少しずつ楽になってきた。すると、町の反対側から来てる客が向こうのレストランが、このマリアの店に客を取られて、お客が減って、仕方がないので、来月、閉店すると話してる情報を聞きつけた。
そこで顔を知られていないレフに、マリアが、その情報が本当かどうか調べに行ってこいと言った。そこでレフが町の反対側のその店に出かけていった。その店の前に、店を売ると書いてあった。
片付けをしている男に聞くと不景気で客足が減って売り上げが下がってやっていけないから大きな損を出す前に店を売って他の町へ行くと言っていた。レフが料理道具は重いから持っていくのは大変だろうと彼らの労をねぎらうふりをして、いろんな事を聞き出した。
料理道具をもっていくか、置いていくか、思案している所だと話していた。新しい場所で仕事を始めるのに、うまくいかなかった店の道具を使うんですか、それで繁盛するんですかねーと言い、私だったら、心機一転、新品を買って、頑張りますがねと言った。
すると店主が、確かに、それもそうだと頷いた。この店の中古品、売れるかなというとつぶれた。店の使い古しなんて買う人はいないでしょと言い。最近は、道ばたに勝手に捨てると警察がうるさいですから、そっと置いていったら良いんじゃないですかと入れ知恵した。
そうしようかなと言って、また片付け始めた。そっと店の外に出たレフは、この話をマリアに伝えて今度はユーリとマリアと二人で言って、店の購入交渉をしてみたら良いんじゃないかと伝えた。この店はレフが見ているから早速、行ってみて下さいと話した。
その後、一時間位してユーリとマリアとがニコニコして帰ってきた。店の中古の道具を置いていくから処分しておいてくれと言われ、現金で買うからと言い、安い値段で、店を買ったと大喜びだった。1967年、秋からレフが今のこの店をやってマリアが向こうの通りの店を買い取り新店を開店した。
レフは小さい頃からマリアに料理を教わって、彼女が仕事で忙しい時、替わって食事を作っていたので料理は得意だ。レフは女房のアリサにも手伝ってくれる様に言うと明日、ベロニカに聞いてくると答えた。
翌日、ベロニカに事情を話すと儲けもレストランの方が多いので仕方ない。刺繍「ししゅう」、裁縫「さいほう」の仕事量を減らして1人でやって行くと言ってくれた。その後も料理店は繁盛して、大忙しの日々が続いた。
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