サキュバスとラップバトル、この思いつきはマジでスワッグ(ヤバい)


サキュバスとラップ……一見何の関係もないものを見事に調和させた新感覚ファンタジー。
混ぜ合わせて奇をてらう? いいや、これは王道なのだ。
勝敗のわかりやすいバトル、爽快な気分にさせるレスポンス、ここには素人お断りのアングラ感なんてない。

ヒップホップ、ラップ、フリースタイル……ブームと言われても敷居が高い?
いやいやそんなことはない。これは非常にわかりやすい。
妖精オーディエンスで内容を総括、放たれるディスで世界観を解説、当意即妙のアンサーは大切……実に軽快に読ませる小説に仕上がってる。

骨子にあるのはラブ&リスペクト。

ファンタジーとの融合による馴染みやすいポップさの中にも、カウンターカルチャーの根底にある反骨、成り上がり、ひと泡吹かせる……そんな精神が確かにある。
思えばその構造は和製の異世界ファンタジーとの相性はバツグン。

ヒップホップはアングラ趣味? ラップは何も分からない?
分からないからこそ、こんな入り口も良いのではないだろうか。