半年も夜のままの世界が続く地球で、一人の女性が生活している様を、丁寧に書き上げた一作。地球が自転をしなくなったのではなく、太陽そのものがなくなったのだ。電気を点けて一日が始まる。街灯が点る朝。それが当たり前になっている。
女性の食事のシーンや買い物の場面などが丁寧に描かれている中、主人公に異変が起こる。誰もいない店内。梟のぬいぐるみ。
そして唐突に鳴る主人公の電話。それは母親からの着信だった。
破たんした日常を淡々と描いて行くと見せかけながら、最後は思いもよらない展開が待っていて、全ての伏線が回収された。
太陽がなくなっても、続く日常。
さて、あなたはその違和感の正体に気付けるか?
是非、御一読下さい。