ご都合主義の物語はお嫌いですか？ 金髪巨乳ロリっ娘と送る青春ラブコメ外伝

第３話 運命的な出会いは『近所のスポーツショップ』で……。

　まっすぐ家に帰っても特にすることがないので、私は近所のスポーツショップに立ち寄ることにしましたわ。

　目的のスポーツショップは２階にあり、１階は『スポーツジム』になっている。

　私が通う高校の制服であるブレザーを着た女子生徒もチラホラといた。

　少し伸びをする。

　深呼吸すると思春期の女子、独自の匂いがして何となく元気になる。

　清潔感溢れる真っ白なのブレザーに、大きなリボンタイとミニスカート。

　白を着用することで身を清め、軽率な行動を戒めるためだとか？

　同じ理由で、制服も男女ともに、真っ白なワイシャツ（ブラウス）を採用している。

　海外で働く有名なデザイナーが手掛けとかで、女の子からは『可愛い』と評判が高いわねぇ。

　ネットで購入できる『女子高生制服通販』の専門店などで、高値で取引されているという噂を耳にしたこともあり。

　普段着として『制服』を身につける女子も多いとか。　

　さらに二次元萌え萌え高校の制服は、様々な最先端技術が惜しみなく注がれた、極めて特殊かつ高性能な衣服らしいわね。

　制服目当てで、ウチの学校を受ける入学者がいるほどですもの。

　制服を可愛く『コーディネート』することに、命をかけている『ヒト』もいるからな。

　いつの時代も女性は『美』を求め、男性はその美を賞賛してきたと、歴史の授業で習ったことがありますもの。

　きゃあっ！？　アレは幻の水着『紺色の旧スクール水着』じゃないですか？

　あっちにあるのは、幼児用のワンピースタイプ水着ですわぁ。

　さらにその奥にあるのは『大人のためのスクール水着』と『ハイピング型のスクール水着』じゃないですか？

　まさにお宝の山ですね。

　ここは『個人経営』でありながら品揃えがなかなかに充実していて、なおかつ家の近所にあるため、すっかり常連客になっていましたわぁ、うふふっ。

　と言っても何か？　スポーツをやっているわけでもありませんし。

　運動部にも所属していた経験もありませんわ。

　生まれてこの方『体育の授業』以外で、カラダを動かした記憶がありませんわ。

　運動が嫌いとか？　別にそういうわけではありません。

　ただ時間がなかっただけですわぁ。

　私には夢がありますわぁ。

　小説家になるという夢があります。

　でも目指すべき作家がいるわけでもなく。

　誰かに書き方を教わったわけでもありませんわ。

　そのすべてが一からで、自分を信じるしかありませんでした。

　あくまでも小説を書くための参考資料として、ピチピチの真っ白なレオタードを買ったり。

　絶滅危惧種になった紺色のブルマや競泳用のスクール水着を買ったり。

　チアーガルーの衣装などを買ったことがありますけどねぇ……うふふっ。

　コスチュームとは『メディア』です。

　スポーツ選手は、見た目にも気を配らなければなりませんわぁ。

　昔に比べてコスチュームのバリエーションも格段に増えましたわぁ。

　特に新体操などの競技は、見た目に大きなウエイトが置かれていますわぁ。

　何よりもサポーターが喜びますわぁ。

　そしてスポーツの歴史とは、人間の美しさ、特に女性の美しさを称賛して続けた歴史と言っても過言ではありませんわぁ。

　なぜ、そんなことが言えるかというと、何を隠そう、私はスポーツ少女を愛しているからです。

　そして全てのスポーツ少女を応援している。

　まあ中学時代は、思いっきり『不審者』扱いを受けましたけどねぇ。

「あ……っ……あと、少しで……うぅっ……んぅ……っ……」

　そんな声が小さく聞こえてきた。

　毛先をカールさせた鮮やかな金色のウェーブヘアと、真っ白なプリーツスカートの裾を揺らして。

　片手を上げ、必死にぴょんぴょんしている後ろ姿から不思議と目が離せませんわぁ。

　美人だからという理由に加え、どこか？　見覚えがあったからですわぁ。

　お嬢様育ちの品行方正で有名な『姫川　理沙』では、ありませんか？

　ひったくり犯を捕まえて、警察から感謝状をもらったことがあるとか？

　ゴミ拾いなどのボランティア活動をしているとか？

　とにかく噂がたえない美少女ですわぁ。

　それを確かめるために、別の角度からもこっそりと覗き見ますわぁ。

　色鮮やかな金色の瞳に、小ぶりの鼻と口。

　上目遣いのベビーフェイスでも強気な印象がありますわねぇ。

　やや太めの首。

　スラリと程よく引き締まった体型。

　腕の付け根とほぼ同じ高さある胸だけは、真っ白なジャケットの胸元に縫いつけられた校章を強調するように、柔らかな脂質を溜め込んだ重量感溢れるオッパイは、間違いなくワールドクラスですわねぇ。

　そこいらのグラビアアイドルが平凡に思えるくらいの発育ぶりですわねぇ。

　ちなみに女性の場合、ジャケットのボタンは左側にありますわぁ。

　袖の長いロングブラウスと胸元を飾る真っ赤なリボンタイ。

　スカートの丈は短く。

　少しでも屈んだりすれば、中身が見えてしまうのではないか、と心配になるほど、肌を無防備にさらしているのに。

　気品すら感じてしまうほど神々しくて。

　そこから伸びた脚は、ボーダーのハイニーソに包まれていて、実に可愛らしく、見る者の目を引きつけて離さないわぁ。

　こげ茶色のローファもチャーミングですわぁ。

　美しさだけでなく見るからに俊敏そうなシルエットを形作っていますわぁ。

　まさかこんなところで出会えるなんて運命を感じてしまいますわ。

　えっと……確か？　自己紹介の時に、好きなことは『走る《ランニング》』だと言っていたと記憶していますわぁ。

　ブルマ姿でランニングしている姿を想像します。

　腰まで伸びた流麗なロングヘアのポニーテール。

　Ｇカップの美巨乳を悩ましげに揺らし。

　走っているうちに、ブルマの裾が食い込んでいってしまう姿を妄想すると、鼻血が噴き出しそうになり、妄想を中断すると……。

「やっぱりダメ……みたいねぇ」

　一番上の棚にある『可愛らしいピンク色のランニングウェア』を取りたいのに、取れなくて苦戦しているように見えましたわぁ。

　ちなみに下の段には『ウインドブレーカー』が陳列してあります。

　そんなに高い位置というわけでもありませんけど。

　姫川さんは女子の中でもそこまで身長が高い方ではないので、少しばかりしんどいのかもしれません。

「もう少しで届きそうなのに……と、届かない……くぅ……んぅっ……」

　辺りには高所にある商品を取る時に使う脚立もない。

　そこで姫川さんがとった驚くべき行動とは、近くに居た店員さんを呼ぶというモノのでしたわぁ。

　女性の店員に話しかけるとか？　姫川さんって、やっぱりコミュ力が高いですわねぇ。

　店員さんと普通に会話できるなんて凄いですわ。

　とても真似できませんわぁ。

「ダイエットの基本と言えば『食事制限』と『ランニング』ですからね。

　早朝のランニングが日課なんですよぉ。　

　あと私は、飲み水にもこだわっていますから」

「まだお若いのに美意識が高いんですね。

　同じ女性として、色々と勉強になります。

　わたしもアナタみたいな。意志の強い人間になりたいです」

「いえいえ、私なんてまだまだですよぉ。

　ただダイエットの本を読み漁るのが趣味なだけですから」

「わたしもよくダイエットの本は読むんですけど。

　お客様の知識量には、正直驚きました。

　一番効率のいいダイエット方法をお聞きしていいですか」

「そうねぇ。

　やっぱりストレスを溜めないことじゃないですか」

　ただ店員と談笑しているだけなのに、笑い方も慎ましくて品があるわねぇ。

　口元に微笑を湛える美しい少女って、それだけで『絵』になりますからねぇ。

　姫川さんの周りには男女問わず、いつも人が集まっています。

　見た目が可愛くて、スタイルもよく。

　色気もあって、女らしい気遣いもできるのに、性質は竹を割ったようにさっぱりしていて、親しみやすいところも彼女の魅力ですが。

　視線はやはり存在感のある胸の膨らみに吸い寄せられてしまいます。

　でも気軽に触れてはいけないような、そんな尊さを醸し出しています。

　まるでエルフのお姫様ですわ。

　エルフと言えば『金髪で貧乳で長身で耳が長い』イメージなので、ロリ巨乳とは若干ズレが生じていますけど。

　私には彼女が自分と同じ現生人類（ホモサピエンス）とは、到底思えませんでした。

　彼女の美しさは、それだけ神がかっていましたから。

　こうして少し離れたところから見ていると、彼女にチラチラと視線をやっている男が何人もいるのがわかりましたわぁ。

　結局。

　話しかける前に、問題は解決してしまいました。

　今まで特に感じたことはなかったのに、このときなぜか『コミュ症』な自分のことが恥ずかしくてたまりませんでした。

　でも……もし……ラッキースケベ体質な私が、姫川さんに近づくと『エッチなハプニング』が起きる可能性もありました。

　私自身はどう思われようと構わないけど、姫川さんが恥ずかしい思いをするのだけは、なんとしても回避したかったからです。

　ちなみに発動条件は、強いストレスを感じた時です。

　ため息をついた拍子に、階段の最後の段を踏み外してしまい。

　派手な音をたててすっ転び。

　鞄（カバン）が床に落ちて、中身が一階の廊下にぶちまけられた。

「大丈夫ですか。拾うの手伝いますよ」

　女性の声が聞こえ。

　姫川さんは四つん這いになると、私の視界に飛び込んできたのは『私が幼い頃に穿いていたカボチャパンツ』でした。

　ちなみに私の体勢は中腰でした。

　危惧していた『ラッキースケベ』が起きてしまったみたいですわねぇ。

「み、見ましたよね」

「えっ！？」

「見てないんならいいです」　

　姫川さんは顔を真っ赤にして、逃げるようにその場を立ち去ってしまう。

　残された私は、ハンマーで頭を思いっきり叩かれたような衝撃を受け。

　頭の中が真っ白になってしまい。

　どうやって家に帰ったのかも覚えていないほど……精神的なダメージは大きかったです。