自殺応援活動法

こんにゃく王子

第1話

就職難が到来し、大卒の3分の1が職につけないという事態が発生した。


何社受けても落ち続けた若者は精神を病み、自殺者が急増していった。その自殺方法は連日電車を止める飛び込み自殺や、飛び降りた先の人間を巻き沿いにする飛び降り自殺、または関係ない人間を無差別に殺してから死ぬなど自分勝手なものばかりであった。


「まぁ世の中に恨みを持って死んでいってるわけだから、そういう死に方を選んでいるのでしょう」

などと専門家は語っている。政府はこの状況を重く受け止め、政策を打ち出した。それが自殺応援活動法である。自殺を願い出た人間に出来るだけ喜びを与えてから、人を巻き沿いにすることなく死んでもらうのである。


初めは就職を何とかしろ!非人道的だ!などといった言葉が飛び交っていたが、その法律に従う若者が多く、大人気であったため、いつしか人はこの闇を見ないことにした。

一年後政府は驚きの発表をした。

「えー、自殺応援活動法ですが、非人道的との指摘があったため、これを破棄します」

なんでも自殺が激減したことが原因らしい

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

自殺応援活動法 こんにゃく王子 @nyakusan

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ