はぶらし
緑茶
はぶらし
朝目覚めると、酒飲み過ぎで頭が痛い。
ぬるくて薄いバドワイザー、酒のつまみはYouTube。
のそのそ起きて歯を磨く。しゃこしゃこしゃこしゃこ。外からは車の音。
静かな洗面所。後ろに誰か居たら怖いから鏡は見ない。
しばらくしたら、口の中が泡でいっぱいになる。吐き出そうとする。
それからふっと、歯ブラシ立てを見てしまう。
そこにはもう一本、ささっている。
使ってないピンク色。先っちょが毛羽立ってる。
きったねー。
声に出す。
その瞬間。
なぜだか涙が溢れてきて、俺は壁に背中を当てる。
口がカエルみたいになって、泡の行き場がなくなる。
しばらく前から毎日見てるはずなのに、未だに慣れない。
そのピンク色の歯ブラシは、数年前から使われていない。
はぶらし 緑茶 @wangd1
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます