第3話 現実が悪夢になる

そう言えば夢の出来事と真逆だなと千夏は思った

副顧問も新顧問も...、夢の出来事がそのまま現実に現れればいいのにとブツブツ呟きながら千夏は部活終わりの後始末を同じ吹奏楽部員の鷹橋未栞と一緒にしていた。

すると新顧問こと深山先生が

「根尾さん、鷹橋さん、ちょうど良かった、各教室のゴミ、回収してきてくれない?」

そんな一言で学校の全クラスのゴミを回収する羽目になった。


「あー終わらないね千夏...先が遠すぎてやる気失せる」

「ていうか、まずなんで2人でゴミを回収しなきゃ行けないんだろう、深山先生もしてくれないのかな?」

すると、遠くで何か音がする。

「あれ、なんか音がしない?今は部活終わったし未栞と私しかないないよね?」

「なんか...ガサガサきこえるんだけど!」

未栞が私にしがみつく、千夏が辺りを見渡すと遠くに人影が見えた。

何故か千夏は黒いサンタクロースの話を思い出した、黒いサンタクロースは悪い子に罰を与えるとかなんとか...

遠くの人影の手には大きな袋が...

「~~~~~‼」

声にならない悲鳴をあげて千夏と未栞はゴミ置き場まで駆けていった。



ゴミ置き場で女子が2人、唖然と突っ立っていると後ろから

「何してたんだ?」

と後ろから声が聞こえてくる

「わ、私は悪い子じゃないです!それにサンタクロースの時期じゃないです!」

と千夏は言いながら顔を上げると、目の前には深山先生が大きなゴミ袋を持って立っていた、千夏の横では未栞がゴミ置き場にもたれかかって未だに唖然としている

「そこはちょいと汚くないですかね、大丈夫ですかい?未栞ちゃーん?」

と千夏は冗談混じりに未栞に話しかける

「うわぁ!ごめん、大丈夫。」

と未栞はゴミ置き場から素早く離れた

「ところで、先生は何をされてたのですか」

「見たらわかると思うがごみの回収だよ

女子二人で学校の全部はキツイだろう?

ところで、黒いサンタクロースとは?」

「忘れてください、特に何も無いですから」

なるほど、意外にも少しは考えてくれていたのかと千夏は少し深山先生のことを考え直していた。

が、なぜ部活の終わりに新しく学校に来た新顧問とこんなことをしなければならないのか千夏は不満にも思った。


未栞と喋りながら部活から帰っていた時

千夏はふと

「私達深山先生から走って逃げたけど、結構早くゴミ置き場に来たよね...早過ぎない?」

「確かに、めちゃくちゃ早かったよね」

未栞も思っていたらしい。

次の日千夏達が部活中の深山先生の歩きが歩異常に速いことを知るのはもう少し先であった。


その晩、千夏は黒い棒人間に追いかけられる夢を見たのだった。




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夢みる少女の現実 宮石楓歌 @fuuka0812

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