第2話 今日の夢と甘い考え

朝、千夏は部活の始まる四十五分前に音楽室へと足を運ぶ

そこで音楽室の鍵を開け換気をして自分の部活の準備を始める...と副顧問の女性が来た、

「根尾さん早いのね、部活熱心で素晴らしいですね〜」

と声をかけられて千夏は

「いえ、好きでやってますので、」

と答える、すると副顧問は辺りを見渡して去っていった。

はぁ、あの副顧問苦手なんだよな...結構好きな教え子には優しいけどその他の人にはかなり厳しい

そう色々考えなから自分の準備を始める

譜面に楽器にマウスピース...

一通り準備が終わり個人練習をしていると

「おや、誰かいますね...」

と声が聞こえてくる、

はて、と周りを見ても誰もいない...音楽室の外を覗くと音楽室から去って行く男の後ろ姿があった、恐らく新顧問だろう

そんなこと千夏が気にするわけない、さっさと自分の個人練習を再開する


しばらくして他の部員がきて部活が始まった

その時に副顧問から顧問の紹介をされる

見た目は...整った顔立ち、窓からの光を浴びて艶やかに光る髪、足が長くて胴と足のバランスがとれた抜群のスタイル、

俗に言う美男、またはイケメンと呼ばれる人種だ。

「初めまして、f_a__y...です......」

この後新顧問の自己紹介が1分か2分ほど続いたが、話を聞く限りそこまで第一印象は悪くない

あぁ、良かった......と

ふとムクリと千夏は起き上がる...

えっ夢?と呟いた



千夏は学校へ向かっていた

今日は夢はリアル過ぎて起きて一瞬何があったか頭が追いつかなかった

しかし、悪くない夢であったな、正夢などもあるしそうであって欲しいと千夏は思いながら音楽室へ足早に向かった


音楽室の前の廊下まできたが、音楽室の前に人影かある、誰かと思ったがそれは女性の副顧問だった。そして千夏を見るなり

「根尾さん!あなた早すぎるわよ、部活に来ていいのは部活の始まる三十分前よ!!」

え、そんな話部活を始めて三年目だが千夏は初めて聞いた。それに他の部活はもっと早く

一時間前に来て練習していたりする

いやいや理不尽では無いか?と思いつつ

「すみません、そのような決まりはいつから決まったのですか?」

と聞くと、副顧問は

「あなたが一年生の頃からあるわよ!しっかりしてよね、部長でしょ!」

と言い職員室へ去っていった。

初めて聞いた話だ、しかし副顧問に反論すれるのは骨が折れる、これは千夏が一年生の頃からこの学校にいる生徒なら誰でも知っていた。あの副顧問はいろんな方向で面倒な方なのだ。

この時、明日から気をつけようと千夏は心に決めた。

ていうか何故音楽室の前に突っ立っているのだ、絶対目つけられた...。

そんなことを考えながら千夏は部活の準備にとりかかった。


時間になり部活が始まる。すると副顧問がきて千夏に

「根尾さん、新しい顧問の先生を呼んできて」

あぁ目つけられたわコリャ...そう言えば夢では新顧問の名前は曖昧だったなと思いつつ

新顧問を呼びに職員室へ向かった。

「部長さんですか、私は深山健哉です。

よろしくお願いします」

と職員室から出てきた新顧問は

顔は美男とは言い難い少し目が細く、身長は155センチの千夏より10センチちょい高いかぐらいの身長で、胴と足のバランスが...胴長いな、髪の毛は元気なさそうなちょっとしなっとしている......細っ!!

細すぎでしょう?!頬もこけてるし、足細っ

背中とお腹くっつくんじゃないかと思うほど細かった。

...隣に立つことが拷問になりそうな程隣歩きたくない。

千夏の夢とは大違いな容姿であった。

夢とは当てにならないものだと思いながら

「部長の根尾です。よろしくお願いします」

と千夏は挨拶をし、音楽室へと案内をした。


自己紹介の前に新顧問の希望でいつも通りの基礎練習を始めることになった

ブレストレーニング、音出し、基礎練習、

基礎練習が終わったあとに新顧問からの自己紹介が始まった。新顧問の音楽愛は数分の自己紹介の中からでも十分伝わってきた。

自己紹介が終わったかと思うと私たちの吹奏楽部の長い長いダメ出しが始まった。

まぁ、新顧問の言っているはもっともだったので私もふむふむ、この顧問は良さげだなと思いなから聞いていたら、最後に

「どこかで見たことがあると思ったら、部長の根尾さんは冬の大会で賞とってたよね?」

と聞かれた。千夏はホルンという楽器で冬の大会で一人、賞をとっていた

「はい、そうです。」

と千夏は答えた、すると新顧問はありえない発言をする

「あの時のホルンは上手かったな〜!でもあれ?なんか下手になった?サボった??」

と言われた。前言撤回、絶対に気が合わない

と千夏は思った。

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