天才やエリートが集う愛長医科大医学部において、主人公は「凡人」だった。しかも、不運が続く。初めての人体解剖の授業では、何故か主人公のグループが担当する御遺体だけが、なくなる。そこに関わる事件とは?
大規模な災害訓練に駆り出されると、本格的な怪我のメイクに加え、演技も求められる。色で患者の優先度を示すトリアージや、混乱する現場をリアルに再現するためだ。訓練も終わり、ほっと一息。しかし、演技力抜群で重傷患者役の知り合いが、いつまでたっても姿を見せない。ここで主人公は、まさか⁉ な事態に気付き大慌てで事態の収拾に向かうが……。
そして、試験の時期がやってきた。学生たちが徒党を組んで、試験対策に乗り出すが、「凡人」な主人公は、皆との差を見せつけられる毎日だった。そんな中主人公は、一匹狼の天才を、仲間に引き入れるという大役を果たす。しかし、天才過ぎるがゆえに、他の天才たちとの人間関係に、歪が生じ始める。主人公は自分なりに、歪を改善しようとするが、事態は思わぬ方向へ進む。そして、あらぬ容疑をかけられた一匹狼の天才は、また一人に戻ろうとする。
医学部の日常の事件を描くと同時に、主人公の成長物語でもある。それぞれの個性が光り、人間関係が鋭く構築されている。
がむしゃらになっても、出来ないことは出来ない。でも、がむしゃらにならなければ、出来ないこともある。だから「凡人」は、「天才」たちに出来ないこともできる。自分を「凡人」扱いする主人公は、ある意味「天才」たちをつなぐ「天才」なのかもしれない。
是非、御一読下さい!