第4話

「おーい、ルナちゃーん」

「ひょむっっ」


中学の時に名前を呼ばれたことが無さすぎてかなり反応が遅れてしまい、謝る。

どうやら状況から察するに、クラスの女の子がご飯に誘ってくれているようだ。もちろん友達は居ないので有難くご一緒させて頂くことにした。


どうやら、高校生ともなると下の名前で呼び合うものらしい。

ショートカットの美玲ちゃん、ポニーテールの穂花ちゃん、ストレートの明菜ちゃん…と唱えていると笑われてしまった。


「私達ずーっとルナちゃんに話しかけてみたいなぁって言ってたんだ〜、だってすっごく面白そうなんだもん!」

と言ったのは穂花ちゃん。

どうやら向井くんがぶつかった時に悲鳴をあげたり、サッカーで顔面でボールを受けたりしていたのがツボにハマったらしい。こんな私でも誰かを楽しませているなら何よりである。


「なんかその言い方だと面白がってるみたいでしょ〜、私は授業中にサボったりしないで背筋真っ直ぐ伸ばしてるところが素敵だなぁと思ったんだよね」

とお姉ちゃんのような明菜ちゃん。

「向井だってそうでしょ、あいつ話しかけたいけどきっかけが掴めないからわざとぶつかったんだよ」

とクールに言い放つ美玲ちゃん…


明菜ちゃんの言ってくれたことはとても嬉しいのだが、美玲ちゃんの言うことは信じ難い。もし本当だとしたらなんて奉仕の心に満ち溢れた人なのだろうか、ただの完璧超人である。

そんなことを言っていたらまた3人から突っ込まれてしまった。よく分からない。

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向日葵に背を向けた シン @SIN_the_novel

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