第3話

まず、高校の授業には思っていたよりもついていけた。

1番ダメなのは体育だった。すっかり忘れていたのだ、自分が体育がとても苦手だということを。

50メートル走のタイムを測ったあとにサッカーをやったのだが、自分でも首を傾げてしまった。

何故50メートルの間に転ぶのか、何故手と足が一緒に出てしまうのか、何故サッカーボールを顔面で受けるのか。

その度にクラスの子達がこちらを見て何か楽しそうにしているのが見え、ルナは泣きそうになった。もういじめられてるのではないだろうか、と。

昨日の向井くんをちらっとみてみると、50メートル走はクラス1位、サッカーは1人で3点を決める。それも全然嫌味たらしくなく、スマートで、(雲の上の存在だわ)と思った。

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