第7話:遭遇−4

 戦闘シーンをいい加減入れたほうがいいのはわかっているのになぜか毎度毎度細かい描写ばかり入れてあまり進展がないのはどうしたものか(白目)。

 あと軍団とか師団とか大隊とか小隊とか分隊とか編成がむつかちい……。これって何か覚えやすい方法ってあるんですかね?←今まで珍兵器にしか目がいってなかった人

______


_第一上陸部隊 午前3:24



 『上陸作戦発令、繰り返す、上陸作戦発令。各員は速やかに指定の位置へと向かえ』


 うっすらと島影__ピオネロの姿が見えるようになった頃、第一上陸部隊に編入された強襲揚陸艦や輸送艦では、目下上陸準備が開始されていた。

 上陸準備の開始を伝えるアナウンスがけたたましい音とともに艦内に鳴り響くマヌエル・アサーニャ級強襲揚陸艦もその一つだ。


 「__よって、貴隊の任務は4:00時に先立って上陸、及び放射線濃度や各化学兵器・生物兵器検出、及びその報告だ。お前ら、わかったな?」


 「イェッサー!」


 「よし、ならとっとと仕事に取りかかれ!」


 ブリーフィングを終えた第3防疫大隊の幹部らは、扉を勢いよく開けるとそれぞれの持ち場へと艦内通路を通り向かっていく。幹部の一人、マルク・ジューリア大尉もその一人だ。

 彼は艦内通路を伝いウェルドックに出ると、第5防疫小隊の乗るLCACへと向かう。


 「第5防疫小隊の諸君!対NBC兵器は持ったな!?」


 「持ってますぜ!」


 LCACに乗り込んだ十数名の自給式加圧服(いわゆる防護服)を着込んだ第5防疫小隊の隊員たちは、LCACの上で整列し今か今かと出撃を待っている様子で大尉からの問いに答える。


 「よし、出撃まで待機!出発予定時刻は3:35時だ!」


 『了解!』


 大尉自身も自給式加圧服を着込むと、アサルトライフルを手に取りLCACへと乗り込んだ。


 「放射線濃度測定器に異常はないな?」


 「はい、バッチリ稼働しています」


 「そんでこっちも……大丈夫か」


 ビィィィィィィッ!


 荷物の最終チェック及びシーツをかぶせる作業を終えた後、ちょうど良いタイミングで出発を知らすブザーがウェルドックいっぱいに鳴り響く。

 マルク大尉やその他隊員は大急ぎでアサルトライフルや装備品を抱え、兵員待機室に駆け込んだ。


 「もうそんな時間か……」


 マルク大尉は手に抱えた装備品を下ろしながら呟く。


 「大尉は……大尉は、今回のこの上陸作戦をどう思われますか?」


 マルク大尉が荷物を全て下ろしたのを見計らって隊員が尋ねる。

 

 「お前はどう思っているんだ?」


 「……私は今回の作戦、なんだか嫌な予感がするんです」


 「ほー、嫌な予感か。どんな予感だ?」


 「……こう、なんて言えばいいんでしょうか。我々の想像を遥かに超えるものがいる……そんな感じです」


 「想像を遥かに超えるもの……ねぇ」


 マルク大尉は、ふとブリーフィングで指揮官より伝えられた一つの情報を思い出す。曰く、『酸素濃度が30%』らしい。ブリーフィングを実施していた時はそこまで気に留めなかったが……。この謎に関して本国ではあらゆる科学分野の学者がこぞって論争をおっぱじめている頃だろう。

 温暖化対策に奔走した各国が原発や再生可能エネルギーを使用した発電に切り替えようやく酸素の量が右肩上がりになったとは言え、いきなりぐんっと酸素量が増えるようなものだろうか?……もしそんなことが起こるなら、『温暖化』なんてキーワードが頻発するようなことは起こらないはずだ。


 「……まぁ、恐れていちゃ何も始まらない。どちらにせよ、誰かは絶対に『ピオネロ』に上陸する必要がある」


 マルク大尉は『それに』と付け加える。


 「聞いた話じゃ、偵察機が人のようなものを発見、それ以前にこの陸地を発見した時にも未確認生物とそれに乗る人のようなものも確認されているらしい。これは全将校が知っている。もしかしたら俺たちは歴史的な場面に遭遇するかもしれないんだ。そう考えれば……いくらか楽になるだろ?」


 「……そうですね」


 会話を終えた後しばらくし、LCACはスターンゲートが解放されたウェルドックから勢い良く飛び出した。

 彼らを乗せた1隻のLCACは、2基のエンジンとシャフトの放つ轟音、そして波しぶきをあげながら任務遂行のため第五防疫小隊を乗せてピオネロへと向かう進路を取るのだった。



_ムベガンド王国 南東第五即興防御陣地



 「と、とにかく今はあの『神の乗る浮舟』の動向を知る必要があるな……」


 丸太小屋に備え付けられた魔導電信機。それを片手に室内で呟く。

 総司令部への連絡は終えた。あとはあちらがなんとかやってくれるだろう。我々が今できるのは、上空を飛び交う『神の乗る浮舟』を監視することのみだ。

  窓から時折見える『神の乗る浮舟』は、未だ空域から離脱する気配はない。


 「おい、起きろ!」


 魔導電信機を机に置くと、彼はベッドの上で深い眠りにつく要員をさする。


 「んぅ……?何だぁ……」


 要員かれは目をさますと、ベッドから起き上がり背伸びをする。

 十分に体が温まった後、彼は先程から室内に響く爆音妙にうるさい音に疑問を持つ。


 「これ……妙にうるさいが……何事だ?」


 「お前も気づいたか……聞いて驚け……!」


 いきなり交代要員が真剣な顔になったので、要員かれは思わず構える。


 「ついに俺……いや、俺達は、『神の乗る浮舟』に出会ったんだ!」


 あまりにも突拍子なことに、要員かれは思わず目を丸くする。


 「お前は何を言っているんだ?」


 ため息をつくと続ける。


 「幾ら何でも『神の乗る浮舟』なんて」


 要員かれがベッドから起き上がり、そう言いかけた瞬間、交代要員の背後にある窓に違和感を感じる。


 「なぁ……あれ」


 「ん?」


 要員かれはスッと、人差し指を立てて交代要員の背後を指差す。

 一体どうした、と言いたげな表情で見つめる交代要員は、彼の指差す方向を見る。


 「んんんんん?」


 目を凝らして見つめる先__はるか先、水平線。

 __そこには、不規則にチカチカと光り、動く数個の光が点在していた。水平線上に点在するそれらは、そら満点の星の放つにも似つかない光を放ち、微小な動きを繰り返している。まるで波に揺られているように。


 「……まさか、ダーダネルス帝国海軍か?」


 いや、ありえない。第5−4文明大陸あそこからここまで、何キロ離れていると思っているんだ。いくら第3文明相当の力を持つあの帝国とは言え、たかだか帆船、それも陸軍国家の帆船がここまでやって来れるわけがない。

 だが、そうでなければ一体どこの国だというのだ。


 「おい、単眼鏡貸してくれ」


 「あいよ」


 要員かれは交代要員に、単眼鏡を投げ渡す。


 「お見事」


 交代要員は単眼鏡を手に持つと、丸太小屋の外へと出る。夜明けを待つ明けにもいかないので水平線が見える適当な場所を見つけ、そこに立つ。


 「んーっと……どれどれ」


 未だ水平線の上で揺らめく光向けて単眼鏡を構える。と言ってもまだ夜明け前。周囲は暗いのでせいぜい確認できるのはシルエットくらいだろう。そう思い単眼鏡の先を揺らぐ光に向けた。


 「ぅ〜ん?」


 時折戦列艦ではないシルエットが見えるが、一体何なのか見当もつかない。新種の海棲竜種だろうか?それともリヴァイアサンか?期待と不安を胸に秘めてじっとそれを見つめる。

 気づけば彼は、空中から彼を観察する未確認飛行物体NRL-10に気づくこともなく、揺らぐ光に夢中で食いついていたのだった。

______

 ここ最近投稿休止中の例のアレを投稿再開しようかなと思う今日この頃。

 感想なりなんなり、思ったこと書いてあげてください。辛辣なコメントは……メンタルが崩壊しない程度で。


 マヌエル・アサーニャ級強襲揚陸艦の元ネタ:タラワ級強襲揚陸艦

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ロマン兵器乱用国家、異世界でもロマン兵器を乱用する模様 えるでぃあん @ELDIAN

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ