第3話 3日目

宿を昼に出発し、夕方前には北にある町へたどり着いた。

道中のモンスターは思いの外強くなっており、北の町を心配した。

いや正確には「北の町に人がいるかどうか」だな。

ここまで来て

「はい、もう町は滅んでました。換金アイテムなどは別の町へとかどうぞ」

とかはシャレにならない。

もう手持ちもカツカツでこちらに体力的にも余裕がないのだ。

そんな事を考えながら入口まで来たがモンスターどころか人の気配がほぼない・・。これはまずいと思ったが、ただ寂れているだけのようだ。

店の方は辛うじて残っており、換金できるか交渉したが

結局手持ちの半分ほどしか換金できなかった。

店主によると昔はここも栄えてたらしいが、道中モンスターが発生するようになったせいで、商人の往来が難しくなり、寂れ、若者は別の町へ働き口を探しに行ったらしい。通りでこの町には老人が多いわけだ。

思ったより収穫が得られなかった俺はどうするか悩んでいた。

このモンスターの一部をどうするかを。

このまま持ち歩いてても腐って売り物にならない。

とはいえ捨ててしまうには惜しい量である。

そうして店主の前で悩んでいると、見かねたのか声をかけてきた。

「東に盗賊の住処がある。そこをどうにかしてくれれば・・」という事を知らされた。確かにそうだが・・安全なのかと聞くと

「何度か王城にお願いはしたのだが、打つ手無し、被害甚大で結局討伐は打ち切られたとの事。」ここで更に交渉を試みる。

「そんな安全じゃない所に無償で行くと思うのか?寝床と風呂と飯、あと幾分かの回復アイテムをくれ」店主は悩んだ結果、それを承諾した。

これで今日の安全は多少は確保は出来た・・・仲間たちは報酬が少ないと言ってたが、今だけは我慢してもらおう。

休息を取ったら東の例のアジトに行く事にしよう。

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勇者日記 腐れ外道 @joker4989

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