ドーナツやさんの店員さんが公務員な夢。

猫店。

第1話

ご機嫌な私は

弟と母とドーナツ屋にいた

「クレーム・クリスピードーナツ」だ

(名前の似た実在のドーナツ屋さんとは無関係です)


用事の帰りに3人でドーナツを買っていた

なにかのレジャー施設に隣接されていた


私たちは5個入り箱詰めドーナツ(プレーン2、キャラメル2、ミックス1)と

あとこまごま食べたそうなものを買った


ここはツイッターでも人気で紹介もされていたし

ついでと言ってもそこそこ楽しみにしていた


試食用にチョコレートドーナツのかけらが置いてあったのでいただくと

なかなか美味しかった!


「このチョコレートの追加で、ください!」 と私


「こちら単品でのお取り扱いは無いんですよ・・」 と、

じっとりしたおばちゃん店員が言う。


よく見ると店員たちはその地味なおばちゃんを筆頭に

感じの悪い女性(この人の娘だろうと予想)と、

感じの悪いおじさん(予想でこのおばちゃんの旦那)。


ここってファミリー経営なのかな・・・


「単品じゃなければあるんですか!」


「はい・・・こちらにの5個入りの箱に入ってます・・・。」


そのなかにいくつ入ってるという具体的な説明もないうえに、

さっき買った5個入りの箱と同じ外観だが。


とても感じが悪いがおいしいし、しぶしぶ買うことにした


帰宅して食べようとしてみると

思った通り、言われた5個入りにはチョコレートドーナツは入っていなかった。

最初に買った5個入りとまったく同じラインナップだった


私は激怒した


が、母と弟はどうでも良さそうだった・・・

そんなぁ



後日また別の用事でドーナツ屋の近くに立ち寄ることになった


今日は弟と母のほかに相棒もいた


母と弟が別の用事を済ませている間に

私はドーナツ屋に行くことにした


先日の件について文句を言うつもりはない

いや、商品違いあったんだから言えよ と思うが

本当にこのときは言うつもりはなかったんだ


店内を見回したが

前回のおばさんも予想の旦那も予想の娘もいなかった


若いきちっとしたお兄さんがカウンターにいた


「試食のチョコレートのドーナツ美味しかったんで欲しいんです」


「ありがとうございます!

 ですがその試食のドーナツそのものは販売してないんですよ」


なぬっ!


まず、販売していないドーナツを試食させる意味・・・

そして先日おばちゃんが私に売りつけたものは・・・


「え、販売していないとはどういう・・・」


「チョコレートドーナッツですね、

 冷凍品はあるんです 

 ですが、試食のドーナツとは少し違います

 冷凍なので味が落ちます


 あとですね、こちらのチョコレートドーナツ、

 こちらもチョコレートドーナツですが、試食のものとは違い、味が落ちます


 試食のドーナツはアメリカ限定品でございます」


諦めきれない私は聞く


「販売はしてますよね?

 単品は無くても、5個入りの箱には入っているんですよね・・・?」


「いいえ、ですから、販売はしていないのです」


・・・・


・・・・


本当に今日は文句を言うつもりはなかった

本当に文句を言うつもりはなかったんだ


「昨日ですね、箱入りのほうにこの試食の

 チョコレートドーナツ入ってるって言われて

 買わされたんですけど、入ってなかったんですよ

 もともと販売してないものを売るなんて」うんぬんかんぬん


お兄さん、てっきり謝ると思いますよね

それがちょっと引き気味で・・


「わたくしそういう文句は苦手で、わたくしに言われても困るんですよね・・」


え。困るってどういう・・・


「それに私たち公務員なんですよ」


え、公務員だからなんだ

いや、そうじゃない

それ以前に公務員がドーナツ屋さんって

いまはいつの時代なんだ


そのうえこともあろうに

お客様のほうに落ち度があったのでは のような類の暴言まで吐かれた


押し問答しているうちに

中から仕事の出来そうな30代半ばのインテリ女性が裏から出てきた


「お客様申し訳ありません、

 その日ですと、小松という者が担当でした

 きつく言っておきますので・・・」


そうか、公務員ということで

代わりのドーナツのお詫びとか返金はないわけだな・・


本当は感じが悪い事くらいどうでもいいしよくあることだが

もうもののついでだ

小松もさることながら

その娘らしき人も旦那らしき人も感じが悪かったと付け加えると


それは従業員ではなく、小松の旦那と娘が手伝い(冷やかし)に

来ていただけだという


・・・ここ、公務員の働く職場じゃないの・・・?


いろいろ自由がきく世界になっているようだ

これはこれで都合がいいが。


まぁともかくみんな待っているだろうし

そろそろお開きにしようと

ドーナツを買った

買うの??

うん、なんだかんだ美味しいしね♪


戻ってみると

母が壁にもたれかかって待っていた


「あなたのお弁当冷めちゃったよ、もう3分も待ったんだから。」


3分・・?

あのやりとりはたった3分のものだったのか


いや、母の手にはお弁当が1つしかない。

みんなのご飯はどうなってるんだ・・・


帰りはバスに揺られて帰る

相棒のおなかはぽっこりふくらんでいた


なにか食べたのかと問うと

弟「うん、ねーちゃんどうせ遅いと思って3人でラーメン食べて待ってた

 で、だいたい飽きて戻ってくるだろうなって時間で

 お弁当注文しといたんだけど、3分読み違ったんだよ」


ええ!とっても正確!

誤差3分


このドーナツ屋


・クリスピードーナツ」


おしまい

すみません・・

ありがとうございました


-・-・-・-・-・-・-・-・-・-


今朝みた夢。



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ドーナツやさんの店員さんが公務員な夢。 猫店。 @nekot_en

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