第4話男らしい北君

7月10日に期末テストが終わった。二人は、いつでも会えるようになった。

小夜子は、和巳の家に電話をかけた。

「ねえ、海水浴に行こうよ」


「海は怖い」

「ねえ、あんたって、どうして、いつだって怖がりなの」

「しかたがないよ、生まれつきなんだもん」


「男だったら、ビシッとしなさいよ」

「できないよ」

小夜子は、和巳に愛想が尽きた。


(こんなに、つまらない男だとは、思わなかったわ)


小夜子は、北好秀の家に、電話をかけた。

「ねえ、北君、相談があるの」

「相談って何だい」


「寺田町のミスタードーナツに1時に来て」

「いいよ」

ミスタードーナツで


「相談って何さ」

「松本君との仲がうまく行ってないの。それで悩んでるの」

「小夜子らしくもない。普段はあんなに元気なのに」


「私はいつも、私ならできる。私はだいじょうぶ。って思ってるけど」

「私、どうしていいか、わからないの」

「北君は、いつも優しくしてくれるから、好きよ」


「私は、何かあったら、北君に頼ってしまうの」


「わかった。週に1回くらい、こうして会って、おしゃべりをしようよ。そうしたら、悩みも消えるよ」


「嬉しい、ありがとう、大好きよ」

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観覧車の恋 尾形昭 @kunio33

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