毬食い
安良巻祐介
松毬を菓子代わりにぼりぼりと齧るそいつらは近隣の住民たちからは山むぐりの衆とも呼ばれており、無縫天衣で罪のない存在であったが、大正八十年の八十島接収令において、土地を神國に捧げるよう受けた勧告を無視したがために滅ぼされてしまい、今では山あいに点在する、彼らの齧った松毬の殻塚ばかりが、かの妖怪種の素朴な存在の痕跡を示すばかりである。
毬食い 安良巻祐介 @aramaki88
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