情報交換
「まじ?」
「ホントさ、今国境を超えるのはオススメしないぜ?」
僕たちは長い車移動の末に補給地点のマッカーシーに到着していた。
「まぁ、やっぱりこうもすんなり行くとは思っていなかったけどさ」
ここまで来るまでに目立ったトラブルはなく、予定より早く作戦が進行していた。
そして僕たちは、現地の人達と情報交換をしていたのだがそこで一つトラブル情報を入手してしまった。
「今、ホワイトノースは黒雲が出てる。近づくべきじゃない。」
黒雲
それは、高級レイダーの出現予兆である。厳密にはただの自然現象なのだが黒雲が出ているところには統計的に高級レイダーが多く出現しているため。世界的に黒雲が出ると緊急体制となるのだ。
「んー・・・どうする?」
「最上さん?」
『黒雲かぁ、厄介だね、かなりでかいなこれ』
「じゃあ待機ですか?」
『んー・・・そうしたいところなんだけれどこの黒雲のデカさはまずいな、待機するのも時間がかかりすぎる』
「じゃあ、行きます?」
『うん、私達ドールズ司令部は君たちが戦闘経験が全く無いにもかかわらずB級を海上で単独討伐した君たちの実力は確かなものだと思っている。もちろん本部から早急に戦力増援を送る。君たちは先に黒雲発生地点まで接触し、状況を観測して』
「了解」
「ふぅ~行くかぁ・・・・」
「おいおい、冗談だろ?本気か?兄ちゃんたち」
店番の現地の人が驚いた声を出す
「あぁ、これも仕事だからね」
「あぁ、そうかい。けど気をつけるんだ、ここらへんは黒雲が最近良く現れるんだ、それでもあの黒雲はやばい、亀裂が出たらすぐ逃げるんだ。・・・生きてたらまたここに来な、一杯奢るぜ」
「・・・あぁ、ありがとう」
心に大きな不安が重く伸し掛かる。
歪んだ世界と小さな願いの調律師 卵焼きは醤油派 @takosannuinnna
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