無垢の破壊衝動

「ごきげんよう」


空は陽気に笑う


「今日は良い天気ですね」


曇天の空は空に輝く真実すら私達から奪っていく


「過ごしやすい時期ですよね」


酷く鋭くやけに生暖かくそして震える程寒い風が吹く


「つい踊りたくなってしまいます」


一陣の風は大木を切り倒し対地を抉る


「さぁ、一緒に踊りましょう?」


体は一瞬にして傷だらけにされていく。鋭く鋭く鋭く。血を吹き出すことも許さないほどに


「あぁ、違いますよ」


強い風は全てを飲み込む。一瞬にして山を削り取り渓谷を作り出す


「もう、しょうがないですね」


台風の目


「さぁ、今一度。私と踊りましょう?」


全てを許す無垢の破壊衝動。


私達は何を相手にしているのか。それを敵として良いのか。ましてやなんて可能なのか。


私は私で有り続けられるのだろうか







私は






「味方だよ?」

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