2. 逃走/闘争 銃弾/血液

 



 真紅の少女の醸し出す雰囲気はまさに静寂そのものだった。張り詰めた緊張感。他を除外する排他性のなせる業であろう。しかし、蜻蛉は真紅の少女のそんな他人を突き放す態度に安らぎを感じていた。人は時に静寂を望む。音のない世界へと自己をいざないたくなるのだ。「あなたは、死にたくないのかしら」

 真紅の少女は、あなたの出身地はどこ、と聞くかのように抵抗感なく生死の質問をした。蜻蛉は感じてしまう。この少女は自分なんかよりもずっと死と近い人生を、長い間送っていたのだと。否。違う。真紅の少女は今なお、鮮血の鳥かごに囚われているのだ。

「あなたは、一体何者なの?」

「質問を質問で返すな、と吉良吉影に襲わらなかったかしら」

「ごめんなさい」

 蜻蛉は怒られたので謝るが、少女が一体何についてどのように怒っていたのか思い出せず、しかし、聞き返すとさらに機嫌を悪くされそうであったので黙っておくことにした。

「すぐに謝るのもどうかと思うのだけれど。いいわ。他人の人生まで口を出す勇気も権利も責任すら私にはないものね。私の正体については聞かない方がいいわ」

「どうして」

 心の裏側がじんと熱くなる。

 そんな不可解な現象に声を発した蜻蛉自体が目を丸くする。それがどういった感情によって引き起こされるのか。蜻蛉にはそれが分かりはしない。

「何をムキになっているのかしら。プライドを傷つけてしまったのかしら」

 少女は少し悩まし気に額に小さな皺を作る。蜻蛉には少女の悩みがよく分からない。

 そして、蜻蛉は真紅の少女の言葉から己がムキになっているらしい、もしくは、ムキになっていると見られているらしいということにやっと気がついた。

「いえ……ごめんなさい。でも、わたしも危ない目にあったし、まさか、拳銃なんてでてくるなんて……」

 拳銃なんて映画ですら紛い物しか出てこないというのに、蜻蛉の目の前には本物の、弾の飛び出すものが現れたのだ。

 そして、そんな拳銃など水鉄砲でしかないと嘲笑うようにさらなる不可思議な現象が蜻蛉の目の前で繰り広げられたのではあったが。

「つまり、自分は迷惑を被り、命を狙われているわけであるからして、事情を説明しろと。そう言いたいので」

「いや……その……別に……」

 はっきりと簡潔に言えばそう言うことになる。だが、蜻蛉はそれほど直接的に命令口調に伝えたかったわけではなく思わず否定的な返事をする。

 そして、どちらなのか、と怒鳴られるのだ。

 それが、岸本蜻蛉の日常――

「どちらにせよ教えるつもりはないから。世の中知らない方がいいことがあるのよ」

 自分よりも年下かもしれない少女に偉そうな言葉を言われて普通ならば怒りが多少こみ上げても仕方がないはずであるが、蜻蛉はそのような気持ちが微塵も起きなかった。むしろ、妙な安心感をもって、やはりか、という言葉が心の中に滲んでいった。

 蜻蛉は一目見た瞬間から真紅の少女がただものではないことがよく分かっていた。それは、プライドによって他人と自身との線引きをしているような矮小な人間のとる態度とは違う雰囲気だった。それは生まれつき引かれた地位の違い、いや、生きる世界の違いというどうあがいても越えられない線引きであったのだ。蜻蛉は少女のその線引きを自然と感じ取ってしまっていたのだ。

「血が、変な形になって、このメイドさんを倒した……」

 蜻蛉は裏路地に横たわる、意識のないメイドを見下ろして口にする。

 トンボたちは騒ぎのあった、というよりは騒ぎを起こしたメイド喫茶から離れていた。離れるほかなかった。今はまだ大きな騒ぎにはなっていないがもうすぐ警察官が集まってくるだろう。早く、この場から逃げ出さなくてはいけない。

 しかし、蜻蛉は真紅の少女の正体について、知りたいという気持ちから目を背ける気はなかった。

「そうね。あなたは非日常の領域に足を踏み入れようとしているわ。それがよく分かっているでしょう? 人の命が軽く扱われるような、非日常。そんな日常に来たくはないでしょう?」

 途端、蜻蛉の中で何かスイッチが入ってしまった。パチン、と軽快な音が響く。

「そんなの、変わらない! わたしの命は! どこまでも価値がない! あなたの言う非日常と変わりはない!」

 久しぶりに大声を出したせいで蜻蛉の喉は悲鳴を上げる。チクチクと痛みがこみ上げてきて咳を連発してしまった。

「そうかしらね」

 さらり、と絹で肌を撫でるように否定され蜻蛉は困惑してしまった。

「命を尊重する、というのは人を人として扱っているということよ。でも、非日常は違う。化け物と人間は生きる世界が違うの。化け物は化け物しか同等に扱わないから。だから、あなたのいる、そして、これからも生き続ける非日常はあなたの命を尊重して、対等に扱っているはずよ。人を人として扱っている」

 真紅の少女の表情は相変わらず人形のように変化のないものであったが、どこか苦笑いをしているような気が蜻蛉はした。故に、これ以上蜻蛉は少女を困らせることをしたくないと思った。

「でも、非日常の方はあなたたちのことなどおかまいなしなのよね。だから、そこのエセメイドを連れてどこかに身を隠しておきなさい」

 それはまだ、自分が、いや、言葉から察するに自分とメイドが命を狙われているということなのか。それを訪ねる前に真紅の少女は日傘を差して光の中へと消えて行ってしまった。

「……メイド服の人を連れてどこに行けと……」


 メイド喫茶の近くが本格的に騒がしくなり始め、蜻蛉は無理矢理メイドを負ぶって路地の更なる奥へと進んでいく。白昼堂々と人々のいる道路を歩くわけにはいかず、暗くじめじめとした路地でやり過ごそうと蜻蛉は考えたのだった。

「重い」

 自分より身長のある人間を負ぶっているのだ。体の負担は相当なものだった。腰が砕けてしまったかのように感覚がなくなっている。それは良いことであり、また、よくないことでもあった。苦痛が薄らいでいるということにおいてはよいことだろう。しかし、感覚が鈍いということは気を緩めてしまった瞬間、力が抜けてしまう可能性もある。

「こんなわたしが誰かを救うなんて」

 誰かを殺した自分が誰かを助ける。それはひどく歪なことに蜻蛉は感じた。

「でも、わたしはあの女の子を信じていいの」

 蜻蛉の中には迷いが生まれる。一歩歩みを進めるごとに迷いが大きくなっていく。

 本当に自分は命を狙われているのか。

 拳銃でメイド服の女性に殺されかけたことは間違いない。でも、それはもしかしたら真紅の少女を襲おうとしていたのかもしれない。自分は巻き込まれただけかもしれない。

 拳銃で殺されかけたこと自体、悪い夢だったのかもしれない――

「……わたしは大丈夫なのかな。この人を助けて……」

 一連の事件を鑑みるに、メイド服の女性が何者かに操られていたことは間違いない。

 しかし、そんな非現実的なことが起りえていいのであろうか。

 背中で重石になっている女性が突如蜻蛉に襲いかかる。そちらの方が現実味にあふれている。

 いっそ、このまま捨てて行こうか。

 蜻蛉の中のささやかな悪魔が囁いたときだった。

「うーにゃ?」

 もぞりと背中に動きを感じて蜻蛉の腰は力を失う。

「どうして下敷きになってるですにゃ?」

 あなたが急に動き出すからです。

 そうコメントしたい気持ちを蜻蛉は抑える。それ以上に色々とツッコミたいところは多く、しかしそれよりも先に解決すべき問題があった。

「退いてくれない?」

「えー」

「何故に!?」

 素直に退いてくれると思っていた蜻蛉は女性の言葉に驚きを隠せない。

「面倒臭いし、らくちんだし――ですにゃ」

「絶対口癖忘れてたよね」

「何か言ったですかにゃ?」

「……別に……」

 蜻蛉は心臓が跳ね上がる感覚を覚えて縮こまってしまう。対人は蜻蛉にとって恐怖なのだ。

「とりあえず、何がどうなっているのかご説明お願いできますかにゃ?」

「……」

 この姿勢でどのように説明すればいいのか。メイド服の少女の尻に敷かれたままうつぶせで路地に寝転がっている蜻蛉が何を言っても説得力の欠片もありはしないだろう。

「はぁ」

 メイド服の女性は低い溜息を吐く。

「お前さ、そんな弱気でどうすんの。どうやって生きていくんだよ。というか、こっちがやりづらい。人間ってのはさ、同等の立場に立たないと会話ができないし、会話ってのは敬語であっても同等の立場に立つことのできるツールなんだよ。あちしの上から退かないとッは無しなんてしてやるかチェケラ! みたいな感じで言ってくれないとやってけないっつーの」

 メイド服の女性は大きくため息をついて蜻蛉の上から去る。蜻蛉は久々に重圧から解放されたものの、心の中にはより大きな重圧がのしかかっていた。

「あーあ。ヤニ吸いてぇ。コンビニどっかあっかな」

「ダメ……です」

 喘ぐように蜻蛉は言葉にする。

 ヤンキーの本性をさらけ出したメイド服の女性に対する恐怖と、メイド服の女性に差し迫った危機に対する恐怖。後者の方が上回った結果であろう。この結果に蜻蛉自身が驚いていた。

「あん? なんでだよ――ですにゃ」

 蜻蛉は震える唇でメイド服の女性に事情を説明する。

「つまりミイは操られていて飛び道具ぶっぱなして、で、その操ってた野郎に狙われていると――ですにゃ。なるほどですにゃ。でも、一々そんなのにビビってたら生きていけないですにゃ」

「でも……本当に危ないし……」

 蜻蛉は自分自身と同じくメイド服の女性も蜻蛉の話を信じていないのだと思った。自分自身でさえ碌に信じられていないのだ。何も覚えていないらしいメイド服の女性に信じられるはないじゃない。

「別にミイは疑っているわけじゃないですにゃ。むしろ、自分の身で体験しないものは信じる性質にゃ。でも、こんなところで待っていても何も起こらないし、何かを起こさない限りは何も起きないにゃ。それよりヤニ吸いたい」

 メイド服の女性は大きく息を吸い込んで、蜻蛉の目を見つめて言う。

「ミイの名前はミイですにゃ」

 蜻蛉にはそれがミイとの別れの言葉に思えた。

 しかし、現実とは非情なものである。

 バッキューン。

「デジャブだね」

「冷静に言っている場合か!」

 光の先からミイは蜻蛉の元へと駆けてくる。そして、蜻蛉の手を握る。蜻蛉はミイの勢いに引っ張られながら路地の奥へと共に駆けだしていった。

「一体誰が――」

 再び洗脳された者だろうか。

「この国で拳銃を平気でぶっぱなす人種は一つしかないですにゃ」

 幾重にも連なる銃声に逐一怯えながらも蜻蛉は走り続ける。

「地球防衛軍ですにゃ」


 蜻蛉とミイに危機が迫る中、真紅の少女はその地球防衛軍の本拠地に足を運んでいた。

「こんな薄汚い天城探偵事務所みたいなところが本拠地だなんて。風情がないわね」

「言ってくれるじゃねえか」

 ぞろぞろと意味もない倉庫の中の廃品の影より出でたのはガラの悪い男たちの姿だった。製造業の如きつなぎを身に纏っていることから、普段は身分を隠し行動していることが見て取れる。

「昔ここで見た拳銃をぶっ放している人間がいたのよ」

「だからなんだってんだよ。あん?」

 ケラケラケラとガラの悪い男たちは卑しい笑みをこぼす。廃倉庫の中で大きくこだまし、カエルの合唱のように時間をおいて反響をはじめる。

「長い間、あなたたちのような人種を見てきたけれど、一般人においそれと渡すような人間だったとは思わなかったわ。自分で自分の首を絞めていることに気がつかないほど愚かではないでしょう?」

「ガキが知ったような口を聞いてんじゃねえよ」

「そう。否定はしないのね」

 真紅の少女は耳を澄ます。

 心臓の鼓動。血管の脈動。息の荒さ。一人一人観察していく。

「あなたたちのボスはどこかしら。一番上じゃなくてこのぼろ小屋のトップは。お話させてほしいわ」

「仕方がねえ。殺す」

 男たちは拳銃を真紅の少女へと一斉に向ける。

「呆れたわ。あなたたちでも心に隙間があるのね」

 同時に何十発も放たれた弾丸は一つの大きな銃声を伴って少女を襲う。しかし、すでにその場には真紅の少女はいない。

「あなたたちに関しては殺すべきか悩むわね。長い間浸されているようだから。理性も何もかも吹き飛ばされるほどに」

「世界を平和にするんじゃ!」

「勝者を全て蹴落とせ!」

「誰も傷付かない世界を!」

 宙を舞った真紅の少女に向かって男たちは銃を構える。しかし、真紅の少女の動きの方が早かった。どこからともなくナイフを取り出すと、それを自らの腕へと走らせる。腕を縦に割るつもりであるかのように深く鋭く、そして長く傷口を作り出した。真紅の少女の陶器のような腕から飛び出すのは朱き血。生命力の象徴であり、そして、死への宣告でもある紅。

「誰かを傷付けて作り出した、誰も傷付かない世界なんて歪だわ。いいえ。それは世界から排除されるきなほど、醜い――」

 真紅の少女は知っている。平和は犠牲無しには成り立たないということに。平和の下で暮らしている人間こそ、それを忘れてはならない。平和などというものは全て、犠牲の後の、抜け殻のようなものなのだ。

「誰かを傷付けるということは、自分が傷付くという覚悟なければならない」

 彼女にその言葉を教えた男の姿が脳裏にフラッシュバックする。自らが一番傷付く方法で、戒めであるかのように誰かを救い続けた男。生涯たった一度だけ、自らの望みのために力を使った吸血鬼。

 真紅の少女は瞳を閉じる。その男の姿を自身の戒めへと変え、そして、あり方を否定するために。

 真紅の少女の精神に反応するかのように宙を舞う朱き流水は姿を槍に変え、男たちへと襲いかかった。

「なにが、お安い御用、よ。いつもいつも穏やかじゃなかったわ」

 ポーカーフェイスの少女には珍しく、年頃の少女のように頬を膨らます。

 真紅の少女が優雅に着地の靴音を響かせたときには、その場に立っているものは少女以外に存在しなかった。暗く湿った倉庫の中では男たちのうめき声ばかりがこだまする。

「痛いかしら。さらに痛くしてもいいのだけれど、どうかしら。話す気にはなって?」

「そんなわけはない。我らは理想郷を作り出す」

「そう。やっぱりダメね。今回の討伐対象はなかなか面倒な輩のようね。人間同士の心が近くなった時代においては脅威になり得る能力だわ。そして、今度の悪魔はわざと宿主を好き勝手にさせている」

 かたり、かたり。革靴の甲高い音が響く。真紅の少女は新たな人物の登場にも動じることはない。むしろ、興味すら湧かないようであった。

「あなたがボスね」

 真紅の少女の目の前に姿を現したのは何の変哲もないサラリーマンの男だった。ごく普通に電車に揺られているような、特徴のない男。

 故に、似ている。

「一団まとめて顔のない悪魔に洗脳されていい気味ね。ギャングのボスの面目丸つぶれじゃない」

「我々は自ら望んで理想郷の一員となった」

「そのくせ、目が死んでるわよ」

 男たちの目はギラギラと輝いている。そのくせ、死んでいる。己を見失い、己と向き合うことを拒絶して、何かに縋り付くことに必死な目であった。

「別にもうあなたには興味がないわ。拷問したところで悪魔の宿主について話さないでしょうし」

「だが、こちらにはお前に用がある」

 ギャングのボスの男の手には、掌サイズの球体が握られている。

 それは命を刈るもの。命を刈ることを目的に洗練された現代の罪。

 真紅の少女はギャングの男たちと共にまばゆい閃光に飲み込まれた――


 路地裏から明るい路地へと飛び出した蜻蛉とミイを追って、その人物も明るみに姿を現す。それはどこにでもいそうな普通の主婦の姿だった。齢は60に近い。普通でないところがあるとすれば、その右手に包まれたロシア拳銃であろう。

「一直線に逃げるな! 撃たれる!」

「なんでそんなこと知ってるの」

「知らねえけど、そんな気がするんだよ!」

 ミイの怒声に従い蜻蛉は前へと走りながらも右へ左へと移動する。

 バン。

 心臓が飛び出てしまいそうな音が蜻蛉とミイの背後から響き渡る。銃声と同時に人々の悲鳴が響き渡る。人々のいる往来で銃を放ったのだ。当然と言えよう。

「どうしてあんなおばさんが拳銃を!?」

「知るか! というか、同じ銃が俺の――ミイのポケットにあるですにゃ」

「今キャラを取り繕ってる暇じゃないよね」

「冷静に突っ込むなよ」

 冷静に突っ込むところではないのか、と蜻蛉は思ったが、お互い生命の危険にさらされているというのにおかしな話だと思った。

 銃声とともにミイと蜻蛉は即座に離れ、左右に体を揺さぶる。

 しかし、逃亡にも終わりが訪れる。

 斜め前に進み続けるという無理な運動を続けたため、蜻蛉は地面で躓いてしまった。足の裏に感触があったことから、石か何かを踏みつけたのだろう。大きく手のひらから地面へと激突する。

「おい! お前! 何やってんだ!」

 ミイはこけた蜻蛉の元へと駆け寄る。そして、近づいてくる人物を睨みつけた。

 その目はキラキラと輝いている。快楽と希望に満ちた目。

「なあ、お前。名前はなんて言うんだ?」

 蜻蛉は絶望的な状況からどうしてそのような言葉が出てくるのか理解できず、頭が真っ白になる。死へのカウントダウンを刻むかのように蜻蛉の胸の鼓動が鳴り響く。

「蜻蛉……岸本蜻蛉……」

 何も考えずに名乗った後、蜻蛉は自分がミイに名前を教えていなかったことに気がついた。

「蜻蛉か。面白い名前だな。お前にぴったりだ」

 バカにされているのだろう。

 しかし、蜻蛉はミイの表情に釘付けになり、文句すら言えなかった。その表情は、これで最期とでも言うように――安らかな笑顔をしていた。

 ダメ。

 蜻蛉はその言葉が言えなかったことを後悔した。

 ミイは拳銃を取り出すと主婦に向かって構える。主婦もまた、ミイへと拳銃を向ける。拳銃同士が重なり合う、瞬間。風や温度、そして、音すらこの世界から消え去る。

 どちらかの、もしくは、どちらもの命が刈り取られる、決定的な瞬間。

 お互いに引き金を引き絞ろうとした時。

 車両が主婦とミイの間に割って入った。黒と白の車両。複数の警察車両がミイたちと主婦との周りを囲んでいく。そして、瞬く間に主婦とミイとを取り押さえてしまった。

「待って! ミイ! ミイ!」

 蜻蛉は警官たちに取り押さえられ警察車両に押し込められるミイに向かって必死に叫び続けた。



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白い日傘の令嬢は今日も猫耳メイドに首輪をつけて散歩している 竹内緋色 @4242564006

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