1.路地裏/メイド喫茶 出会い/嘘つきオオカミ

 


 岸本蜻蛉は建物と建物との間の細く狭い路地を歩いていた。その足取りは覚束ず、体調が悪いのは誰の目にも明らかであった。

 彼女を見る、誰か、がいればの話ではあるが。

 蜻蛉は音から遠ざかりたかった。

 街の明かりに人々の雑踏。そのどれもが彼女にとっては刺激となり、心臓の鼓動を不自然に早めてしまう。害のない空気ですら心なしか震えていて、彼女を揺さぶっているかのように蜻蛉は感じていた。

「わたし……は、間違っていない……はず、なのに……」

 声の乗らない呼吸のような音が蜻蛉の口から漏れる。唇が震えに震え、きちんと文として言葉を紡ぎだせはしなかった。

「どうして……こんなに、苦しいの……」

 焦点の合わない目で彼女は行き着く先を睨む。そこは終わりのない闇。路地の奥のさらに奥。どこに繋がっているかも、行き止まりであるのかも分からない、空間。

 しかし、何も見えていない――いや、見えていてもそれが何であるのかを理解できない彼女にはどちらでもいい話であったのかもしれない。

「それはあなたが弱いからよ」

 終わりのない黒の中に、ぷかりと真紅が浮かび上がる。まるでバラの花弁が舞い降りたようだと蜻蛉は思った。その幻想的な色を見ている瞬間だけは蜻蛉は現状を忘れることができた。

「だ……れ……」

 震えの止まらない唇で蜻蛉は言葉を紡ぐ。

 ピントが少しずつ定まり始め、徐々にバラの花弁の正体が露になってきた。

 バラの花弁の正体は、たった一人の少女だった。

 朱い、絵本の中から出てきたようなゴシックドレスを身に纏い、夜の闇には不似合いな白い日傘を肩に携えている。髪は艶のある黒髪をツインテールに結び、二房の絹糸のような黒髪が腰の辺りまで伸びている。背丈は低く、蜻蛉の身長よりも低い。その姿を視界にとらえただけで香しきバラの香りが漂ってきそうな容姿をしていた。

「わたしが誰であるのかは今、それほど重要なことではないわ。それはあなたがよく分かっていることでしょう?」

 それではなにが重要なのか。

 その答えを今の蜻蛉では出せそうにもない。

「あなたは今怯えている。死にたいのに死ぬことが怖くて怯えているのね」

 そうだった。

 岸本蜻蛉は死にたくて仕方がない。

 しかし、死ぬことが恐ろしくてたまらない。

 自分は死ななければならない存在だというのに。

 それほどの罪を犯してしまったというのに、である。

「わたしは……一体どうすればいい……というの……」

 今しがた起こった出来事が蜻蛉の瞳に再び映し出された。


 つまるところ、全ての元凶は岸本蜻蛉という少女が世界に適合できなかったということに過ぎない。

 人間の社会というのは常にコミュニケーションや対人関係などに影響され、そして、互いに支え合って成り立っている。それはひどく曖昧模糊で、土台など何もなく、ひょんなことで簡単に崩れ去ってしまう代物ではあるが、そこまでの深い話は今回必要がない。

 岸本蜻蛉という少女について説明するために必要なのは、彼女が別段変わっているわけではなく、それ故に特別ではないと思い込み、そして、だれしもが彼女のような存在になり得るということである。

 岸本蜻蛉は簡単に言ってしまえば、社会に溶け込むことが昔から苦手であった。人々の会話の輪に積極的に入っていくわけではなく、しかし、本人はその必要はないからと高をくくっていた。つまりはコミュニケーションが苦手で、常に一人で過ごしているような少女であり、本人はそのことに不自由を感じていなかっただけである。

 だが、社会という曖昧模糊たる姿のない怪物は少女のような社会から逸脱する存在を許しはしなかった。それは恐らくは誰にも罪はない行いである。なぜならば、犯す本人には罪悪感がない。自分たちの世界に存在する不純物を正義と言う常に後からその定義を決定づけられるコインの表裏のような概念の名のもとに行動を開始しただけである。

 難しい言葉を連ねたが、これもまたたった一言で表せる。

 岸本蜻蛉は呼吸をするかのように当然として、いじめを受けることとなったのだ。

 いじめというものにおいて最も重要なのは心を折るということである。そして、岸本蜻蛉の心はなかなか折れはしなかった。しかし、心が折れなければ、尖った武器になりようもなく、長い間時間をかけてじっくりと徐々にだんだんと、彼女の心にはヒビが浸透し続けていたのである。

 ずっと、岸本蜻蛉の顔が晴れることはなかった。腫れることの方が多かった。

 道行く人も彼女が何かしらの問題を抱えて生きていることには気がつくほどであるが、手を差し伸べるわけもなく、彼女自身助けを求めることをしなかった。

 それだけ助けを呼びたくても。狂いたくなるほどに泣き叫びたくなっても。それをすることはなかったのである。

 それが、強さなのか。はたまた弱さであるのか。

 それを決めるのはまだまだ早急な話であった。彼女の行いが弱さなのか強さなのかが決定づけられるのは正義という概念が行動の後から定義づけられるのと同じように、彼女がなすべきことを成した時に決定されるのであろう。

 そして、それを決定するのは彼女自身である。だが、それを彼女は未だ気付いてはいないだろう。

 岸本蜻蛉は長い間いじめに耐え続ける日々を送っていた。

 スクールカウンセラーや教師など、相談する相手がいることは理解していたものの、相談をして、そしていじめがなくなっても、根本的なものが解決するとは思えなかったのである。その根本的なものは、形があるにもかかわらず、目には見えず、名前すら分からない、この世界に敷き詰められた空気のようなものだと蜻蛉はなんとなく感じ取っていたのであろう。

 そんな彼女がそれと出会うのは必然、だったのかもしれない。

「いじめをこの世界からなくしませんか」

 下校中の蜻蛉の目の前に一枚のチラシが差し出される。普段なら絵空事だと、安っぽい宗教の勧誘か何かだと高を括る蜻蛉であったのだが、この日この時だけは何故か、チラシを渡してきた人物の話を聞く気になったのだった。

 蜻蛉が案内されたのはこじんまりとした小さなビルの会議室だった。壁の舗装ははげかけているのを何度も補修してあり、補修されていない箇所の方が薄く茶色に汚れてしまっていた。しかし、そのちぐはぐな古い雰囲気がその会議室には妙に合っていたと蜻蛉は記憶している。

 会議室には所々角の欠けたパイプと木を組み合わせてできた机が並んでおり、スポンジの抜け出したパイプ椅子に多くの人々が腰をおろしている。きちんと、一ミリも乱れなく座っている姿は対称ではない机やパイプ椅子から浮いており、蜻蛉の心に一陣の恐怖、というよりも気味の悪さを湧かせた。蜻蛉は空いている席の、最後の一つ。一番入り口側の後ろの席に腰を下ろす。蜻蛉はパイプ椅子を引く瞬間大きな音を立て、体をビクリを震わせたが、会議室の人々は微塵も反応しはしなかった。呼吸の音すらあるのか怪しいほどであった。それほどパイプ椅子を引くという他愛のない音が大きく響き渡ったのだ。

 パイプ椅子に座りながら蜻蛉は横目で参加者の様子をうかがう。

 参加者は老若男女様々ではあるが、心なしか蜻蛉と同世代の中学生から高校生が多い。

 そして、その中の誰しもが、岸本蜻蛉のような、世界に絶望した薄い色の皮膚を持ち合わせていた。

「では、世界についての真実を話そうか」

 蜻蛉にチラシを渡してきた人物が壇上にて声を張り上げ音を響かせる。胸を張り、チャップリンの演説の如く言葉を紡ぐ。

「どうしてわたしたちは迫害を受けなければいけないのか」

「世界は間違っている」

「我々は世界に見せつけなければならない。今がその時なのだ」

「これは世界を変えるための革命なのだ」

 普段の蜻蛉であれば、くだらないと一蹴したであろう。しかし、この時だけは不自然なほどに彼女の胸の奥深くにしんと響き渡って行った。

 そして、蜻蛉は行動を開始した。

 全てを覆すための復讐は意外と簡単であった。

 この世界には誰もが突然強者へと変貌する夢のアイテムが簡単に手に入る。それどころかほとんどの人間が持ち合わせているものである。

 スマートフォン。または、インターネットへの接続が可能な端末。

 それさえあれば簡単に誰かに傷付けられる側から誰かを傷付ける側になれるのだ。

 蜻蛉はいじめの首謀者へSNSで誹謗中傷を行った。それは獲物を追い詰める肉食獣のような気分であった。蜻蛉は他者を傷付ける時肉食獣へと進化した。今まで肉食獣だと思い込んでいた存在がただの無垢な羊であったことに心から呆れ、バカにした。

 自身がかつて同じような肉食獣の皮を被った羊であったことを忘れ。

 そして、肉食獣であると錯覚している自身もまた、皮を被った羊のままであることに気がつかず。

 休み時間、SNSにていじめの首謀者の監視をしていた時だった。

 今日はどのように痛めつけてやろうか、これ以上他人を傷付ける言葉を思いつかないということに満足し、心から喜びを感じていた時であった。

 蜻蛉の席。

 窓際の、日光の差す景色のいい場所に一瞬だけ、ほんの一刹那、影が差した。

 その影の正体を蜻蛉は目にしてしまったのだ。

 血走った視線がぶつかった。

 目の下のクマが深く刻まれ、生気を失ったかんばせだった。

 自身と同じような顔をした、少女。

 同じ制服。同じ性別。でも、かつて立っていた位置は違った。

 蜻蛉はその少女に自分自身を映し出した。

 そんな少女が上から下へとスライドしていったのだ。

 蜻蛉は急いで窓を開け、校舎の下を覗き込む。

 そこにあったのは人ではない。生物ではない。なにかであった。

 そこにあるのは死しかない。それが死であるのだ。その死を引き起こしたのは自分自身であるのだ。

 自身は罪深い。

 故に――

 死ななければならない。

 死んで当然の存在なのだ――


「怖い……死ぬことが……助けて……お願い……」

「残念だけれど、それはできないわね」

「そう。それはできないよなあ。なにせ、お前はここで死ぬ」


 道路沿いにあるカフェーの窓際の席、喫煙席から近く、よっぽどのことがない限り誰も近づかないその場所が『彼』のお気に入りだった。

「人間というのは、嘘がよほど好きらしい。嘘であれば嘘であるほど、喜んで騒ぎ立てる」

 はた目から見ると独り言を言っている奇妙な客である彼であるが、彼はそのことを気にはしない。どうせ、誰も彼の顔を覚えてはいないのだ。カップを近づけただけで充満するコーヒーの情熱にあふれた香りを堪能しながらぼんやりと彼は道路の向こうを眺めた。多くの人間が平和な顔をしながら、歩いている。だが、彼は知っているのだ。この世には二種類の人間がいることに。一方は敗北者。そして、それ以外。勝者と敗者ではない者だち。後者は何食わぬ顔で何事もなく、平凡な味気ない日常を過ごしながら道路を歩く。しかし、前者の場合、世界に敗北したと言わんばかりの態度で往来を歩いている。彼はそんな敗北者を探すことに長けていた。それこそが彼自身の才能と言えるだろう。

「もう少し遊んでいたかったけれど、お仕事の時間だ」

 彼の表情は悦に浸った表情そのものであった。仕事を嫌がる人間のかんばせではない。むしろ、仕事そのものに誇りを――いや、それ以上の感情を抱いているそれであった。

 彼はカフェーのウェイトレスを呼びつける。

 そして、彼女の耳元でそっと囁いた。


 蜻蛉は真紅の少女とは正反対の方向からの声に困惑し振り向く。そして、さらなる困惑が蜻蛉を襲ったのだった。

 光さす道路の方向から蜻蛉と真紅の少女のいる暗い路地へ足を踏み入れるのはこれまた一人の少女。いや、女性かもしれない。背丈は蜻蛉と同じくらいの、成人女性の平均的な身長であるが、きちんとしたメイクが施されている。決して厚くなく、薄くもない、ビジネスメイク。長いロングヘアの黒髪を後ろで結いつけ、頭頂部にはひらひらと揺らめく白いヘッドセットが装着されていた。衣装もまた、白いひらひらが特徴的な、黒を基調としたドレス――

「メイド服?」

 あまりにも場違いな服装に蜻蛉は目を丸くした。しかし、と、後ろをさらに振り返って、真紅のドレスの少女もまた場違いに違いないと改める。ただ、真紅の少女の場合はその存在自体が神秘的であり、それに追随するかのように赤いドレスが付きまとっているというような、そんな印象を受けたので、違和感を覚えることが少なかったのだった。

 かちゃり。

 なんだか軽快な金属音がして、蜻蛉はようやくメイド服から意識を女性の腕の先に持って行く。

 その瞬間に音が鳴り響く。

 ドガーン。

 テレビでよく聞く、音だった。

 しかし、テレビよりも何倍も大きく、重圧で、響き渡って、なにより音によって体中が揺さぶられる。

 銃声だ。

 そして、それが聞こえているということは、蜻蛉の命はもうこの世にはないということなのだ。

「え?」

 蜻蛉の目の前は真っ赤に染まってしまった。

 驚くほどきれいな朱。いくら傷付こうとも揺るぎない精神を彷彿とさせる朱は蜻蛉の心を奪い去ってしまった。

「どうして」

 蜻蛉の縦となり、弾丸を浴びた少女に蜻蛉は尋ねた。

「それはあのエセメイドが銃を撃ってきたことに対する疑問かしら。そうでないとしたら――」

 ぴちゃぴちゃぴちゃ。

 真紅の少女の右腕から真っ赤な血液が滴り落ち、灰色のコンクリートを紅く染める。

「答えられない質問ね」

 真紅の少女は血の滴る右の腕を振るう。紅い血液が舞い散る花びらのようにメイド服の女性の元へと飛来する。女性の方はというと、少女の舞い散る血液の美しさに心を奪われたのか、銃弾を放った格好のままその場で硬直していた。

「|亡き王女の為のセプテット<あなたは今まで食べてきたパンの枚数を覚えているの?>」

 真紅の少女の小さな唇から言葉が漏れ出ると同時に舞い散っていた血液たちは形を変えていく。敵を串刺しにする朱き槍となって。

「うっ」

 キン、という金属同士がぶつかるような激しい音とともに、女性の手から拳銃が吹き飛ばされ、黒き現代の槍は大きく宙を舞う。朱き古の槍はメイド服の女性の動きを封じるようにコンクリートの壁へと磔にした。

「気を失っている、ようね」

 真紅の少女はメイド服の女性の頬に触れ、その感触を楽しむかのように弄ぶ。

「やっぱり、メイド服はそそるわ。人類が皆メイド服を着てしまえばいいのに」

 真紅の少女の言葉をはっきりと聞いてしまい、蜻蛉は困惑してしまう。鬼のように冷酷な表情をしていた少女の顔が赤らみ、頬が緩んでいる。そして、心なしか呼吸も熱っぽくなっていた。

「いけないわ。体に穴が開いたせいで疼いてしまうわね。でも、お楽しみは全てが終わってからよ」

 独り言に慣れている話し方そのものだと蜻蛉は思った。

 蜻蛉もまた、独り言に慣れてしまっていて、どうでもいいことを早口で口走ってしまったりするのだ。

 少女もまた独りなのだと蜻蛉は感じた。しかし、少女は自分自身とは違う。自分自身にはない強さがそこにはある。

「ねえ、あなた。聞いているかしら」

「え?」

 蜻蛉はようやく少女に話しかけられていることに気がつく。少女の紅い瞳に射られた瞬間、心がゾクリと総毛だった。

「このメイド服に身覚えはないかしら。どこかの店の安っぽいコスプレなのでしょうけれど」

「それなら……」

 蜻蛉は弱々しく光り差す路地の出口へと腕を伸ばす。そこには小さなメイド喫茶があった。

「ありがとう。これでさよならだわ」

 待って。

 そんな言葉が蜻蛉の喉から飛び出そうになったことに蜻蛉自身が驚く。

 自分は一体少女を呼び止めてどうするつもりだったのだろうか。

 危機は去った。蜻蛉は救われた。これ以上少女に関われば更なる危険に遭遇することは容易に想像できた。

 少女の使った謎の怪奇現象――血液が槍となり人を襲うことに対する好奇心か。はたまた自身が命を狙われたという事実に対する疑問なのか。

 蜻蛉は自身の中に眠る気持ちがそのどれもに当てはまらないことが分かっていた。しかし、その気持ちが何であるのか分かりはしない。

 気がついたときには少女の赤いドレスがメイド喫茶に吸い込まれて行くのが見えて、急いで跡を追っていたのだった。


 蜻蛉がメイド喫茶に足を踏み入れた瞬間、凛とした声が響き渡る。

「さあ、出て来なさい。嘘つきオオカミ」

 店内の人間は突如現れた少女が唐突に大声を張り上げたので真紅の少女を凝視して停止してしまう。

「あなた、何してるの」

 蜻蛉はつい真紅の少女に言ってしまう。しかしすぐに出過ぎた真似ではなかったかと思い至り、少女が怒っていないかと様子をうかがう。少女は蜻蛉の言葉に反応することなく、じっくりと店内を見渡していた。

「お、おかえりなさいませ……ご主人様……」

 店員の一人が蜻蛉の声に我を取り戻し、真紅の少女と蜻蛉に向かって挨拶をする。

「あら。私に飼ってもらいたいのかしら。でも、すでに猫を一匹飼っているからダメね」

 真紅の少女はいたずらっぽく言うとずかずかと店内の奥へと進んでいく。窓際の喫煙所の近くの席にて立ち止まり、その席に座っていた男に声をかける。

「ごきげんよう。嘘つきさん」

 だが、男は反応を示さない。

 ばたり、とバランスを崩した置物のように男が椅子から落ちる。真紅の少女についてきた蜻蛉はその光景を見て思わず目を覆ってしまう。

 床に倒れた男の口からは泡が噴き出していた。テーブルの上には白い錠剤。男の手からひび割れたスマートフォンが床を滑って真紅の少女の革靴まで辿り着く。

「なるほど。録音を聞かせて操った、ということかしら。もしくは通話か。どちらにせよ、やってくれるわね」

 男もまた、何者かに殺されたのだと蜻蛉は気付く。犯人が自殺した、という考えは少女の言葉を聞く限り正解ではない気がした。

「どこかで聞いているのかしら。下級悪魔デマゴーゴス。どうも最近のあなたたちは狡賢いようだから呼び方を変えてもいいかもしれないけれど、何百年も前から本質は変わっていないわ。どこまで古臭い遊びを続けているつもりかしら。まあいいわ。あなたは私が殺すのだから。だから、汚い顔を洗って待っていなさい」

 真紅の少女は力任せに床に落ちていたスマートフォンを革靴で踏み砕いた。


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