第30話(最終章):一郎の健康回復と友人との永久の別れ

 2017年になって金井一郎と、かなえさんは、みなとみらい駅から元町

中華街駅まで電車で行って、そこから谷戸橋を渡って谷戸坂をゆっくり時間

をかけて登って、海の見える丘公園で一休みして、庭園を散歩してから、

谷戸坂を下りて元町の喫茶店でお茶して、半日過ごして、帰って来たり、

臨港パークからパシフィコ橫浜の回りを歩き海に浮かぶ、ぷかり桟橋から

海を見たり、インターコンチネンタルホテルの前のベンチに座って休ん

だりして、みなとみないのショッピングモール、クイーンズスクウェア、

ランドマークを回って帰って来たりの散歩を毎日の日課のようにして

散歩を楽しんでいた。


 疲れて一休みするときは、大好きなポンパドールのフランスあんぱん

(フランスパンの生地を使った、堅めのあんぱん)を買って休みながら

、水を飲んで食べることもある。


 また、お腹が空いたときはランドマークエリアの「喜助の牛タン」を

奥さんと一緒に、混み始める前の11時に入店して、ゆっくり味わって

食べるのが好きだった。また、金井かなえさんは、住んでるマンション

近くのMMテラスで全国の美味しい果物商品を買うのを楽しみにしていた。


 また、金井一郎はキリンシティが桜木町のシャルにあって汗をかいたり

、暑い日には冷たいビールを飲むのも楽しみだ。たまに人恋しくなると

近くに住む、金井義朗夫婦と一緒に4人でタクシーで野毛に飲み屋通りを

歩いては、賑やかに飲むの事もたまにある。何と言っても、橫浜は港町で

世界中の料理や酒、音楽が楽しめるところで、気の置けない仲間が来ると

、ジャズバーにくり出して、ビールを飲みながら、良い雰囲気に包まれて

、昔話をするのも楽しみの1つで、ジムで仲良くなった同年代の友人も

呼んで、食事したり、喫茶店で昔話をしたりという会合も増えてきた。


 やがて2018年を迎え昇ってくる初日の出に向かって100歳まで

、元気で生きれるように念じてからタクシーを呼んで今年の初詣では、

少し足を伸ばして、関東の、お伊勢さんと呼ばれる、由緒正しき

伊勢山皇大神宮に出かけ、家族達、友人達の安全と、健康を祈願して

お参りしてきた。


 2018年4月に熊本の池上義武さんと家族3人が、はるばる訪ねて

来てくれて、お金を貸してくれてありがとうと言って、熊本名物の

辛子レンコンをお土産に持って来て、池上家の、その後の状況を話

してくれた。その後、熊本は以前通りの賑わいを見せて自分の息子や

孫達もしっかり働いて、お金も以前の計画よりも早めに返せそうだと笑い

ながら話してくれた。ただ、奥さんによると、義武君も心臓を患って、

10年前に、何回も意識不明になり、ペースメーカーをつけたそう

であり、毎日、血圧、心拍数をはかっていると聞かされて、お互いに

長い生きしたいものだと励まし合った。


 その晩は聘珍樓で義朗夫婦と池上家の3人と計7人で金井一郎主催

の歓迎会を開いて、少し飲みながら、一郎と義武さんの学生時代の

思い出話を、たくさん聞かされ夜が更けるまで楽しく語り合って、

楽しんだ。翌朝、9時に熊本に帰るので、別れの挨拶に池上家の人達が

金井一郎のマンションを訪ねてきてくれ、池上義武君が、もしかして、

これが最後の面会になるかも知れないと、金井一郎に抱き付いて、

泣きながら、お互いに、頑張って生きていこうなと言い個人的に多額の

借入金を本当にありがとうと言い固い握手を交わして帰っていった。


 そして一郎の予測通り2018年10月3日の残暑が残る日に池上義武君

が亡くなったと知らせが入り10月11日に熊本で葬儀が行われると書いて

あったので、金井一郎夫婦と義朗夫婦の4人羽田空港から飛行機で熊本空港

に向かった。そうして告別式に参列して金井一郎が、ご焼香したとき、一瞬、

遺影の池上義武が笑って、良く来てくれたと言った様な気がして、思わず

少し立ち止まってしまった。

(終了)

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曾祖母、秘密の観音様 ハリマオ65 @ks3018yk

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