第30話:経済の話と義理の父が倒れた
幸子は、家に帰って、父に話すと、そうだね、その3人の友達のいう話は、
当たっているかも知れないと言った。父も、義理の父から投資の勉強をしなさい
と言われて、勉強したが、普通のサラリーマンをして、東京圏内に広いマンション
や、ましてや1軒屋を持つというのは、ほぼ不可能だと言い、稼いだ金を、
長い人生で、どうやって増やして行くことの重要性を痛感すると言った。
幸子も数学や計算は得意だったが、コンピュータや電子機器、自然科学に
ついては、優秀な男の子達には、かなわないと昔から思っていたようだ。
父と友人達の話を聞いて、経済学入門の本を図書館で借りて、数冊読んで
みると、父の言った、生涯えられる給料総額と年金から税金を取られると、
都会では、決して恵まれた生活を送ることが出来ない事が良くわかった。
そうして、夏休みに、毎年クリスマスパーティーを開いてくれる、祖父の家に
行って、経済の話を聞くと、ヨーロッパやアメリカでは、貯金金額よりも、
投資金額の方が多い。その理由は、経済が大きくなると、相対的に通貨の価値が
下がる、言い換えると物価が上がることによって、通貨価値が下がる。
それも同じ1千万円を銀行で10年経っても、1千万円しかなくて、物価が
毎年2%上がるとして、10年で20%と言う事は、10年前の1千万円の借り
が10年後には800万円になり、20%下がると言う事だと説明した。
しかし、株式として、将来有望な会社に投資して毎年5%成長したとしたら
1000万円で株の価値が将来有望な会社の株が、1500万円になり、
物価が20%上がっても、株の本質的価値が1300万円になり、どんどん、
自分の資産が増えることになるわけだ。
日本でも、そう言う考え方をしてる人の資産は増えるが、大金をリスクを
取らずに低金利の預金や、自宅の金庫に保管すると、物価上昇分が目減りしてくる
と力説したので、良くわかった。経済の勉強は、大いに結構と祖父が幸子に伝えた。
1992年10月となり、ソニー株が下がって来たので、1991年10月8日に
、ソニー株を1200円で1万株買い、残金が232万円となった。
1992年10月20日、早朝、6時に犬山重臣の家の電話が鳴り、すぐに、
淑子さんが電話に出ると、淑子さんの父、木下公彦さん・65歳が心筋梗塞で
倒れ、救急車で杏林大学病院に運ばれたと連絡があった。直ぐに、犬山重臣と
奥さんが、長女の幸子に、事情を話して、今日は学校休んでも良いから、
待ってなさいと言って、タクシーで病院へ行くと、手術室の前で待つ、
憔悴しきった、義理の母の木下貴子さんが待っていた。娘の淑子さんに、
抱き付いて、お父さんが、早朝に胸が痛いと言い、脂汗をかいたので、
救急に電話をして、救急車で、この病院に運ばれたと話した。
診察を受けると、直ぐに、緊急手術になりますと言われ、承諾書を書く
ように言われたので、書いたと説明した。手術が始まって1時間くらい過ぎて
、慌てた様子で数人の若手の医者が手術室に入っていった。
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