第24話:幸子の再挑戦

 夏になり、良男の好きな、サマーランドに出かけて、いろんなプールに行って

、泳いで、良男は元気いっぱいで、はしゃぎ回っていたが、その後を追いかける

犬山重臣は、大変だった。淑子さんと幸子さんは、彼らを横目で見ながら、

ゆっくりと、泳いで、売店で休んで、しゃべりながら、過ごしていた。4時頃に

、バスで八王子まで30分の間に、父は、居眠りするほど、疲れて、電車の中

でも居眠りしていた。家について、風呂に入り、夕飯を食べた後、父は口数も

少なく、すぐ寝てしまった。


 高尾山にも出かけた時も、良男は、会いからわず、落ち着きがなく、動き

回っていて、後を追う父が気の毒なほど、はしゃいでいた。そして、

電車での居眠り、家に戻っても一番先に床についた。そうして、9月を迎え

、全国珠算連盟の1級の受験申込書を手に入れ、書いて、提出して、数日後、

受験票が届いた。受験日は10月10日、その日も、父が、ついていき、

落ち着けば、絶対に受かるからと、受験会場に入る幸子を送り出した。


 席について、軽く手を組んで上に上げて、ストレッチして、深呼吸をしてる

様子を見て、父は、少し安心した。試験が始まり、やがて終了し、戻って

くると、いつもの明るい笑顔で、完璧と言った。その言葉通り、数日後、

全国珠算連盟の1級の合格通知が届いて、翌日の晩に、ケーキを買ってきて、

合格祝賀会をしてあげた。幸子は、晴れ晴れとした顔で、やっと念願の1級

をとれたと言った。


 この調子で、中学になったら、英語検定試験にも挑戦しようとみんなの前で

宣言した。彼女は記憶力が良くて、日常英会話の100以上の文章を6年に

して、全部覚えてしまった。後は、主語、目的語など、英単語を覚えれば、

かなりの水準まで達していることを父は知っていた。この話を聞いて、

また来年から、英語検定試験の作戦を練ってみよと、幸子の肩を叩いた。

 そうして、12月になり、奥さんの実家のクリスマスパーティーに出かけ、

今年の出来事の中で、幸子が、全国珠算連盟の1級合格したことを発表した。

 すると、義理の父が、よく頑張った、これからも、いろんな事に挑戦して

行きなさい、私は、あなたの味方で、できる限り支援してあげるからと言うと

、気丈な幸子が、涙を見せて、ありがとう、本当にありがとうと言った。


 その姿を見ていた、祖母が、幸子を強く抱きしめ、良くやったと頭をなでた。

 母も、幸子を抱きしめて、これからも頑張るのよ、私たち、みんなが幸子の

後援するからと優しく言った。すると、中学生になったら、実用英語検定に

挑戦しますと、みんなの前で、宣言した。その後、1988年が終わり、

1989年を迎えた。犬山家では、家族全員で初詣でに行って、それぞれの

目標の達成を祈願して来た。

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