第5話 マスキングテープと私と姉妹の好み
今までそれほど興味を持っていなかったものに、急に興味を抱いて集めたくなる文房具がある。そのうちの1つがマスキングテープだ。
今までマスキングテープに興味を持てなかったのには理由がある。使い道がそれほど思い浮かばなかったからだ。
何せ私は不器用なうえ、装飾というものがとても苦手でセンスがない。そうなるとマスキングテープを使う機会などそうないだろうと、購入することはほぼない状態だったのだ。
ところが、数年前、某文房具イベントに参加して状況が変わった。何となく気になるデザインをSNSで知り、つい買ってしまったのだ。そして、当時出始めたマスキングテープを小巻にして持ち歩けるという素晴らしく魅力的なアイテムを手に入れてしまい、どんどんのめり込んだ。
気付けばマスキングテープは200を軽く超え、専用の収納も購入している現在、この大量のマスキングテープを持て余してしまうのでは…という心配は杞憂に終わる。不器用でめんどくさがりの私でも、大量のマスキングテープを使う方法を思いついたから。
仕事柄、私はある紙をテープで貼り付ける必要があるのだが、その紙は何度も剥がしてまた同じように使うことが多い。そうすると、何重にもテープを貼ることになり、厚みが増していくという不満があった。
そのときふと思い立ったのが、マスキングテープの活用だ。マスキングテープなら一度貼ったものでも再び紙から外して使うことができる!
しかも、小巻で持ち運びが可能となれば、使っていたものがなくなってもすぐに詰め替えることができる。ならば、自分好みのデザインを増やしても使えるじゃないか!
……こうしてまた、新しいデザインのものを見かけるたびに、我が家にマスキングテープは増えていくのだった。
ところで、これだけ母が様々なデザインのマスキングテープを使っていたら、年頃の姉妹も使いたいなりなんなりいうんじゃないかと秘かに思っていた。
だが、母の思惑(?)に反し、我が家の姉妹はマスキングテープに全く興味を示すことなかった。バレンタインに配るチョコレートの封をするときのみ、どれか貸してというだけだった。
もしかして、200を超えるデザインの中でも、姉妹の好みに当てはまるマスキングテープはほぼないのだろうか…?
文具と私とエトセトラ @marine-risu
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