第3話 明日なんて・・・・・・
「よーい、スタート!」
【鈴羽side】
制限時間は、10分。
あの言葉から、時間が経つのはとても早く感じた。
私たちのチームは、2位だった。1位は楓と奏音のチームで3位は玲門と春人のチームだった。4位は菜野のチームで、5位は知らない人たちのチームだった。
シラナイヒト「嫌だ!嫌だ嫌だ嫌だ!」
ナノ「嘘でしょ...。」
シラナイヒト「どうしよ、私が死ぬかもしれない!」
シラナイヒト「まだ、死ぬなんて早いよ!」
4位と5位になってしまった、チームの人達が狂ったように叫び始めた。
その叫びを止めたのは…
パアアアアアアアン!
もの凄い音で振り向いたら、銃を持った、優香ちゃんがいた。
私はすぐに察した。
その音が、優香ちゃんが鳴らした、銃声ということに。
みんなもそれに気づいたのか、顔がどんどん青ざめていった。
ユウカ「うるさいわね。
もう少し静かにしてくれない?」
ユウシン「静かに出来るやつなんていねぇだろ!」
ユウカ「ハイハイ、分かった分かった。
えっと、4位がDグループで、5位がEグループね。」
そう言った時、一人の女の子が、優香ちゃんのところに走って、前に着くと、頭を下げてこう言った。
オンナノコ「ごめんなさい!ごめんなさい!
許してください!許してください!
殺さないで!」
最初は、頭を下げていただけだったけど、途中で土下座に変わった。
でも、優香ちゃんの顔は、全く変わらなかった。
ユウカ「無理だよ。
最初に言ったでしょ。ここに来たのは自分がホントの世界で、退屈だと思っていたから。恨むなら、自分を恨みなさい。」
私はその言葉に、うつむいた。
そうだ。
イツメンのメンバーがみんなここに居るのは私のせい。
これは、忘れてはいけないことなんだ。
その優香ちゃんの言葉に誰も何も言わなくなった。
ユウカ「さぁ、生贄になってもらう子を言うわ。」
みんなの目が、優香ちゃんに集まったのが分かった。
胸の前で、祈っている子もいれば、しゃがんで、涙を流しながら、言葉を待つ子もいた。
ユウカ「1人目は・・・・・・あなたよ。」
その子は、さっきゆうかちゃんの前に行って、土下座をして許してもらおうとしていた子だった。
オンナノコ「嘘...。
嫌だよ。
いやーーーーーーー!」
凄く叫んでいた。
今の姿をイツメンのメンバーと考えると
一気に罪悪感が出てきて、その子を見れなくなった。
優香ちゃんは何事も無かったかのように、2人目の子を言った。
ユウカ「2人目は・・・・・・あなたよ。」
指さしたところには、私たちは知らない男の子がいた。
オトコノコ「嘘だろ...。
なんで俺なんだよ!」
そう言って、その男の子は優香ちゃんに殴りかかろうとした。
でも、その男の子が殴った先には、優香ちゃんはいなかった。
ユウカ「女子に手をあげるなんて、最低ね。
あんたなんか居ない方がいいと思うわよ。」
オトコノコ「はぁ!何言ってんだよ!」
ユウカ「私、ずっとこの部屋を監視してたわ。
あなた、同じ学校の子に暴力を振るってるでしょ。」
優香ちゃんがそう言った時、あの男の子と同じ制服を着た子がうつむいた。
ユウカ「あなたみたいな人が、社会にでると今の社会はダメになってしまう。
ただでさえ、ここでもあなたの信用なんか、ないんだから。」
そう言われた男の子が、振り向いた。
あの子が、いろんな人に暴力を振るっているのは、クイズ中よく見てきた。
その男の子に暖かい目を向ける人なんて誰もいなかった。
ユウカ「さぁ、今日の死に方は、銃ね。」
ドクンドクン、すごい胸がなってる。
ほんとに殺してしまうの?
嘘でしょ。
なんかのドッキリとかでしょ。
心の隅では、密かにそう思っていた。
ユウカ「さようなら。」
優香ちゃんがそう言った瞬間、
パァン
パァン
2発の銃声がなった。
そして、2人の体は後ろに倒れた。
ドサッ
ドサッ
周りの床に血がついていた。
「キャーーーーーー!」
みんなが叫び始めた。
私は、声も出なかった。
ユウカ「2人は、生贄として捧げたわ。
この2人を処理するわね。
血は残るわよ。
次のゲームは、明日よ。
おやすみなさい。」
そう言って、優香ちゃんは2人の遺体を機会に乗せて、部屋を出ていった。
私たちだけになった、部屋はシーンとしていて、全員が床に染み込んだ、血を見ていた。
その血が、2人が死んでしまったことを表していてさっきまで、2人は生きていたはずなのに...そう思っていた。
明日もまた誰か死んでしまうんだ、そう思うと、どんどん怖くなってきた。
もしかしたら、イツメンのメンバーが死ぬかもしれない、自分が死ぬかもしれない。
明日なんて、来なければいいのに・・・・
今から、ゲームを始めます ココミ @kokoml
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